第1話 第2節 魔法学院

悠真はリリアに連れられて屋敷から出た。そこに広がる景色は悠真が知っている世界とは全く違っていた。空には緑色の光球が浮かび、地面には色とりどりの花が咲き乱れていた。人々は鮮やかな服装をしており、耳がとがっていたり、尻尾が生えていたりしていた。馬車や自転車などの乗り物も見当たらず、代わりに翼の生えた獣や魔法の絨毯などが飛んでいた。


「これが……異世界……?」


悠真は目を丸くした。自分が今まで読んだファンタジー小説やゲームの世界そのものだった。


「そうです。あなたは今、エルフィア王国にいます。この国はエーテルという生命エネルギーが豊富にある場所です。そのおかげで魔法や魔獣などが存在します」


リリアは説明した。


「エーテル……? 魔法……? 魔獣……?」


悠真は言葉に詰まった。自分もエーテルを操ることができると言われていたが、それがどういうことなのか分からなかった。


「あなたはエーテルを感じることができますか?」


リリアは悠真の手を取って、彼の掌にエーテルを集めた。悠真は手のひらに温かさとともに軽い振動を感じた。


「これが……エーテル……?」


悠真は驚いた。自分の体の中にも同じような感覚があることに気づいた。


「そうです。エーテルはあらゆるものに存在するエネルギーです。あなたはエーテルを自在に操ることができます。それがあなたの特別な力です」


リリアは笑顔で言った。


「でも……どうやって操るんだよ……」


悠真は困惑した。自分には魔法の知識も経験もなかった。


「それは私が教えます。私はこの国で最高の魔法使いですから」


リリアは自信満々に言った。


「最高の魔法使い……?」


悠真は疑問に思った。リリアは王女だと言っていたが、魔法使いでもあるのか?


「ええ、私は王女であり、魔法学院の学長でもあります。私はこの国で最もエーテルに精通しています」


リリアは誇らしげに言った。


「魔法学院……?」


悠真は興味を持った。魔法を学ぶ学校があるのか?


「そうです。魔法学院はこの国で最も権威ある学校です。そこでは魔法や歴史や文化などを学びます。私はあなたを魔法学院に連れて行きます。そこであなたはこの世界のことをもっと知ることができますし、私もあなたの力を試すことができます」


リリアは目を輝かせた。


「魔法学院に……連れて行く……?」


悠真は戸惑った。自分は異世界に転生したばかりだった。そんな状況で学校に行くなんて考えられなかった。

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