異世界転生したら生命エネルギーが溢れてきた件

輝星悠斗

第1話 第1節 転生と異世界

中村悠真は目覚めた瞬間から何かがおかしいと感じた。まず、目の前に見える景色が自分の部屋ではないことに気づいた。木造の壁に草屋根、窓から差し込む光は太陽ではなく緑色の光球だった。次に、自分の体が変わっていることに気づいた。手足が長くなり、筋肉がつき、髪も服も汚れていた。そして最後に、自分が死んだはずだという記憶がよみがえった。


「あれ……?」


悠真は首をかしげた。昨日までの記憶は鮮明だった。大学で友達と遊んだあと、バイト先のコンビニに向かった。そこで交通事故に遭い、救急車が来る前に息絶えたはずだった。


「俺……死んだんじゃ……」


悠真は自分の胸を触った。心臓はしっかりと鼓動していた。


「どういうことだよ……」


悠真は混乱した。自分は死んだはずなのに、なぜ生きているのか? しかも見知らぬ場所で見知らぬ姿で? これは夢なのか? 幻覚なのか? それとも……?


「おはよう、悠真さん」


突然、明るい声が聞こえた。悠真は驚いて振り返った。そこには、美しい女性が立っていた。長い金髪に青い瞳、白い肌に細身の体。耳はとがっており、頭には花飾りがあった。服装はシンプルなワンピースだったが、胸元には大きな宝石が輝いていた。


「あなたは……?」


悠真は言葉に詰まった。女性は自分のことを知っているようだったが、悠真には全く見覚えがなかった。


「私はリリアと言います。あなたのお世話係です」


リリアは笑顔で言った。そして、悠真の手を取って立ち上がらせた。


「さあ、着替えてください。朝食の準備ができていますよ」


リリアは悠真を引っ張って部屋を出た。悠真は抵抗する暇もなく、彼女に従って歩いた。


「ちょっと待ってくれよ……」


悠真は困惑した。自分は一体どこにいるのだろうか? リリアという女性は何者なのだろうか? そして自分は何故ここにいるのだろうか?


「これからあなたに説明しますから、ご安心ください」


リリアは悠真の心の声を聞いたかのように言った。


「あなたは異世界に転生したのです。そして、この世界でエーテルという生命エネルギーを自在に操ることができるようになりました。」


リリアの言葉に、悠真は目を見開いた。


「異世界……? 転生……? エーテル……?」


悠真は信じられないという表情をした。


「あなたのエーテル量は人一倍に多いです。あなたはこの世界では特別な存在なのです。それゆえに、多くの人々があなたに関心を持ちます。あなたを助ける人もいれば、あなたを狙う人もいます」


リリアは真剣な顔で言った。


「私はあなたを助ける人間の一人です。私はこの国の王女であり、魔法使いでもあります。私はあなたの力に興味を持ちました。そして、あなたにこの世界の知識や常識を教えることにしました」


リリアは優しく微笑んだ。


「私と一緒にこの世界を冒険しませんか? あなたにとって新しい世界ですが、きっと楽しいことや面白いことが沢山ありますよ」


リリアは悠真の手を握りしめた。


「どうですか? 悠真さん」

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