第15話
「………なんだね、これは。」
「あなたと、鬼瓦父の金銭授受の現場写真ですよ。あ、音声もありますよ?聞きます?」
「いい……それより、なんでその写真を持っておるのかね…誰も部外者はいなか……あ」
「口を滑らしましたね。では。いくらですか?」
……ここで口を滑らすかぁ…?まじで危機感ってものがないな。こいつ。ぜってぇ金むしり取ってやるから。
交渉は今の発言で更にこっちが有利になったから。
「50で。」
「え?さっき100だしてこれに50しか出せないんですか?もう僕は今すぐにでもメディアに持ってっていいんだけどなー?」
「………わかった。150で。」
「まだまだ少ないですね。」
……目標300はほしい。いや、2枚目ももちろん出すから、合計800くらいまでは釣り上げたいな。
「200でどうかね?」
「まーだまだ足りませんね。」
「250!!」
「まだ。」
「いくらまで釣り上げるのかね!?君は。そんなに金をむしり取って楽しいか!?」
……え。わかってないんですか?この校長さんは。僕のほうが立場が上なのに。
逆ギレ?だっせ。
「………今すぐメディアに出しますよ」
「………分かった。300だ。」
「いいでしょう。では。……2枚目、これにはいくら払いますかね?」
流石に2回目の手口には驚かなかったようで、動揺することはないように見え、
「600でどうだ。」
俺が思っていたよりも高い金額を提示してきた。
これはありがたい。今日一日で1000万超えたじゃねぇか。
美味しいーヤミー感謝感謝!
「いいでしょう。じゃあ、最後です。」
今から言うこと。これが、俺は一番校長にすら求めたいことだ。
これをさせるために今までに立場を植え付けたようなものだから。
「校長先生、僕のいじめをもみ消していたこと、土下座で謝罪してください?笑」
「……すまなかった。金に目がくらんで……」
「あれぇ…?ねぇ、校長先生、僕は、土下座でって言いましたよね?」
「……土下座はちょっと…。」
なんでここに来て変なプライド持ってるんだよ面倒くさいなぁ…。
さっさと土下座しろよ。うざいうざい。
転生前の俺がどれだけ苦しんでたと思ってるんだ?
謝罪は俺が部屋に入った瞬間にでもするべきことだと思うんだけどなぁ…。
「土下座、できませんか?土下座、ただ頭をいつもよりも深く下げて地面につけるだけですよ?そんなこともできないと。ゴミにも程がある。」
「……わかったよ。土下座をすればいいんだな?」
そう言うと校長は諦めたような顔をして、意外ときれいな形の土下座をしてきた。
「藤本君、すまなかった。許してくれ。このとおりだ!」
テンプレ通りの謝罪。声に気持ちがこもってない。もっと気持ちを見せろよ。イライラする。
あー。俺、手は出さないって決めてたけど、足ならだしていいよな。
俺は、校長の禿げた頭に足をおいて、よくあるヤンキーみたいなポーズをする。
「なぁ、朝山。お前、どれだけ重大な事をしてたかわかってないだろ?」
「君っ!足を置くのは暴行罪では…?」
「そうですか?じゃあ、?一緒に逝きます?俺はブタ箱に、あなたは社会的イメージが最下層へ転落。いいじゃないですか。」
「やめてくれ…私が悪かった…」
「自覚あるんじゃないですか。じゃ、頭も蹴飛ばしますね?僕の精神的苦痛はこんなものじゃ済まないんですから。」
“ドォン!”
あは。朝山の頭がぐわんって揺れた。おもしろいなぁ…。
「私が悪かったから……どうかやめてくれ…」
“ドォン!”
「やめてください、だろ?立場が違うんだ。敬語を使えよ」
「私が、悪かったです…。やめてください…」
朝山が俺に対する言葉遣いを敬語に変えたのを聞き、俺は蹴るのをやめてやる。
「で、朝山。もちろん、このことは誰にも言わないよな?」
「そんな、訴え……」
「言わない、よな?」
「………はい。」
朝山からこのことは言わないとの言質を取ったところで、最後の仕上げに取りかかる。
ちなみに、音声録音されてるのでは、と思ったが、いきなり入ってきたから録音できてるわけないか。大丈夫だな。
「じゃあ、最後に。」
俺は、カバンの中から、さっき朝山に渡した証拠写真の一式をすべて見せてやる。
「――朝山さん、1040万、ご馳走様でした」
膝から崩れ落ちて抜け殻のようになっている朝山を横目に、俺は校長室をでて、学校の外へと向かっていく。
あ、電話がかかってきたな。
「父さん。どう?新聞に載せれた?」
「あぁ。もちろん。特ダネを持ってきたってことで、窓際族からも脱却できたぞ。これも全部拓海のおかげだ。本当に、ありがとう。」
「どういたしまして。」
……あぁ。終わった、な。俺の復讐は、これで終わりだ。
いや、まだ最後に、ネットで火種をうまないと。それが終われば、本当に全部終わりだ。
転校して、新しい人生を踏み出そう。
_______
はい、受験生、時間なさすぎね??
ってことで毎日更新は今日で終わりになります。
明日からはまたダンざまの時みたいに不定期更新になりますね
どうかご了承お願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます