第4話 学校に行こう。スキル未所持?そんな人種が居るのかよw

 翌朝。昨日の夜はあれからスマホを見てみたり自分の部屋になにがあるのかってのを探してみたりしたのだが。


 まぁそれはそれは面白かったな。高校生の自分、薄い本持ちすぎだろ!?とか思ったりな?


 あと、現世では個人情報が全て『プロフィール』から見れるから、スマホの暗証番号とかをいちいち当てる必要がなかったのは助かった。


 そして、だ。今日はついにいじめられてる学校に行くのだ。


 まぁ初日にいきなり復讐するなんていう手荒いことはしないつもりだが。


 今日は、どんな事をされてるのかの見極め。まだ更生できそうなやつとできなさそうなやつの線引や、誰が主犯なのかとかを知るのだ。


 そして、証拠を集めて反撃していって、【プロフィール透視】【コラ画像生成】【スキル強奪】で地に堕としてやる。


 そうと決まれば、早速行こう!


 ………あ、今日は前までと同じようにするからお金いっぱい持ってかないと……カツアゲ、されて当たり前だろうし。






 _______






 さて、堂々と一人で通学路を歩いているのだが。

 ……え?【転移】を使えばいいじゃねぇかって?今日はいじめっ子たちに素直に従うんだぞ?


 それに、もともとの俺が【転移】を持っていたかもわからない。


 持ってなくて、それで今日だけ使っておかしくね?とか思われたらあれだし。


 ―――まぁもともとプロフィール欄にあったってことは使えるんだろうけども。


 ……さっきから、俺と同じ制服を着ている、下級生だろうか。そんな奴らが、俺の方を見てはクスっと笑いながら歩いていく。


 誰も彼も俺のことを見るなり同じような反応だ。


 そんなに俺の顔になんか付いてるかなぁ…?


 あ、なんか後ろからすごい圧の奴がきた。


「よぉ、藤本。金出せよ。今日は3万だったよな?おい!早く出せよ!」


 えっ。誰。こいつ。いや、恐らく俺をいじめてる奴らなんだろうとは思うけど、ダッサ。なに髪染めてるの?高校生で金髪?www


 まっったく似合ってねぇんだけど。


 っといけねぇ。今日は素直に従うんだった。良かったよ。いっぱい金持ってきてて。


「はい、3万。どうぞ。」


 と、俺が素直に三万を彼に渡すと驚いたような顔をして、けどすぐに正気を取り戻したのか、もう一回最初の威張った顔になり、


「そうか。じゃあ明日は5万な?わかったか?!」


「わかりました。」


「ハッハッハッハッ。この金、何に使おうか。」


 ふーん。こんな感じなんだ。まぁまぁ優しくねぇか?これ。学校に行ったらもっとひどいのが待ってるんだろうか…?


 とりあえず。金を渡してる間にプロフィール、ぜーんぶ透視してやったぞ。


『名前 鬼瓦優

 生年月日 4月9日

 血液型 O型

 身長 160cm

 体重 54キロ

 所持スキル なし

 その他のプロフィール

 顔 中の上(整形済み)

 性格 カス

 家 家族から溺愛されている。しかも財閥のお坊ちゃま

 精神 弱い。何かあったらすぐにへりくだる。そのくせ下に見てるやつには横暴

 学校 DQNのリーダー

 成績 ゴミ。金払って操作してもらってる。

 日常生活 DQNをしている』


 へぇ……。所持スキルなし?wwwww


 マージで?wwwそんな人種いるのかよwwwで?整形してて、金で成績買ってるって?


 弱点しかねぇじゃねぇか。こいつ。


 ガチでおもしれぇ。復讐のしがいがありそうだなぁ……。


 とりあえず、リーダーから潰してみるか?明日にでも。【コラ画像生成】使ったら証拠掴まれた!とか言って屈服してくれるだろうよ?






 _______






 学校についた。あいも変わらずに周りからは白い目で見られるし、何ならすれ違う教師からも汚物を見るような目で見られるが。


 この分だと、俺この学校自体に復讐をする事になりそうなんだが。大丈夫そ?


 と、自分の教室、2年2組に入る。


 すると、俺の席は一番前の教卓のところにあって、他の席は隣とくっついているのに俺の席だけ離れていて、そして俺の席の周りにはさっきの男と、それの取り巻きが集まっていた。


「よぉ。早速だが、お前。この課題やれ。」


 と、言ってきたのは恐らくナンバー2だろうか?


 あまり良く覚えていなかったので、さっき見たプロフィールを思い出してみる。


『名前 橋本トール

 生年月日 3月18日

 血液型 B型

 身長 175cm

 体重 71キロ

 所持スキル 【料理】【身体強化】【勉強】【聞き耳】【怒り】【イケメン】

 その他のプロフィール

 顔 上の中(スキルの効果)

 性格 良し。ただし下に見てるやつにはとことん悪い

 家 良好

 精神 普通。ただし寝取られが嫌いすぎて脳が破壊されまくる。

 学校 DQNのナンバー2

 成績 良い(スキルの効果)

 日常生活 彼女に浮気されている。実は喧嘩がすこぶる弱い。』


 はっ。こいつもまたいいプロフィールしてんなぁ…。彼女の浮気現場のコラ画像とか見せたら発狂してくれそう……


 よしよし。なんか鬼瓦の仲間っぽいからこいつも処刑でいいか。


 などと考えていたため、少し橋本に対する返事が遅れると、


「おい聞いてんのか!」


 と教室であるにも関わらず大声で怒鳴りつけてきた。ほんと、できるのは勉強だけなのか?お前は。


「はい。やりますよ。」


「そうだよ。最初からそう言っとけばよかったんだ。じゃあな。ちゃんとやっとけよー?」


 ……はい。ぜってぇこいつの課題に落書きして提出してやる。


 俺の前世社畜だぞ?舐めんじゃねぇよ??

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る