第3話 お父さん。【窓際族】ってなんなんだよ……。

 あ、【プロフィール透視】のやり方わかんねぇや。確認確認…。


[使用方法 念じる。

 範囲 自分を中心とした半径50メートル以内にいる人]


 ――また念じるのか。念じるの多くないか?まぁ確かに頭の中に浮かんでくるってことだから念じるのが一番いいんだろうが。よし、じゃあ早速念じてみよう。


 というか、半径50メートル以内ってことは、別に下に行く必要なくお母さんとかのプロフィール見れるってことか。


 では。「フンッ!」


 おーーー!きたきた。まずはお母さんだ。


『名前 藤本亜希子

 生年月日 5月13日

 血液型 A型

 身長 154cm

 体重 52キロ

 所持スキル 【料理】【回復】【掃除】【怒り】【介護】【健康体】

 その他のプロフィール

 顔 中の上

 性格 温厚。ただしスキルが発動すると怖い

 家 実は旦那よりも権力を握っている

 精神 強い。

 家事 素早い。スキルを使うのが上手い。お金のやりくりが上手

 へそくり たくさん持っている』


 へぇ…。へそくり持っているのか…?


 ってそんなんじゃなくて!!なるほど、こんなふうに人のプロフィールって見えるんだな。


 あ、小さい頃からお母さんが病気したとこ見たことないなぁ…と思ってたら、【健康体】のスキル持ってるじゃん!


 今世ではこんなことまでスキルに頼ってるんだなぁ…。


 というか。え?お母さんの方がお父さんよりも権力持ってるってまじですか?普段はうまいことお父さんの方が強く見せてたってこと?


 へぇ…。?お母さんだからスキルを強奪するようなことはしないけど、もしこれが俺をいじめてる奴らのプロフィールだったら絶対色々強奪してたなぁ…。


 特に【回復】とかめっちゃほしいし。


“ガチャッ!”


「拓海ー!ただいまー!」


 お?お父さんが帰ってきたぞ?


 お父さんのプロフィールを見たいので、俺は部屋を出て下の部屋に向かう。


 あー。懐かしいなぁ…。お父さん、何年ぶりだ?久しぶり!


「うん、お父さん。おかえり。」


「お?珍しいな?挨拶返してきてくれるなんて。いつもは冷たいのに。」


 まずったか?あまりにも自分の家すぎて忘れてたけど、そう言えば俺、異世界転移してるんだよな。


 もっと高校生っぽく振る舞わないと。いつバレるかわかんねぇし。


『転生者』にあったらすぐバレるかもしれないから。


「うん、今日はそんな気分なんだ!」


 と言って、お父さんのプロフィールを見るために、リビングに残ることにする。


 さてと?お父さんのプロフィールは…?


『名前 藤本剛

 生年月日 6月26日

 血液型 O型

 身長 179cm

 体重 68キロ

 所持スキル【酔い耐性】【健康体】【窓際族】【回復】【人心掌握】【スキル習得】【護身術】【声真似の極み】

 その他のプロフィール

 顔 中の中

 性格 基本温厚。というか怒ることがない

 家 実は奥さんの尻に敷かれている

 精神 強い

 仕事 窓際族。そろそろ首が寒くなってきている

 へそくり あるわけがない』


 ………えーっと、何から言えば良いのかよくわかんねぇけど、とりあえず。


 スキル、【窓際族】ってなんだよぉ!!!!


 いやなに?もうすぐクビになるの?俺の父さん。え?前の世界ではめちゃんこ出世して部長まで行ってたけど?今の世界では首が寒いの?


 新聞社ってそんなに厳しい職場なのか?


 あとは、やっぱり父さんの方が家庭内権力弱かったんだな。さっきは冗談なのかもとか思ってたけど、ふたりともおんなじこと書いてたら信じるしかねぇ……


 それとそれと…。え?【スキル習得】ってなに?それ、俺のやつの上位互換なのでは?


 ―――欲しい。もし持ってるのが俺の嫌いなやつだったら確実に奪ってた。【護身術】もなかなか欲しいが。


 その割にはスキル持ってなさすぎな気もするが…。まぁいいや。


 それとさぁ…。なんで、父さんと母さんには【健康体】があるのに俺だけないんだ?


 いやいやマージで。なに?血繋がってないの?そんなことないよね?……え、ないよね?


 ………まぁいい。もし病気なってもお母さんが【回復】でたすけてくれるっしょ。


 それと。【声真似の極み】って使い道あんのか?想像できそうにないんだが。


 というか。俺のスキル、【プロフィール透視】ってそんなに珍しいものなのか?


 女神様がくれたやつだからそりゃあ一般に出回ってるってわけじゃあないだろうけど、まさか俺だけしか持ってないとか……ないか。


 ……よし。ここはいっちょ聞いてみよう。


「なぁ父さん。父さんって、人のプロフィール見れる人にあったことある?」


 もしもこれでいるんだったら女神様を恨むぞ?そんなメジャーなスキルなんぞいらねぇんだよ!!ってな。


「え!?そんなん見れる人っているのか!?」


 ………へぇ。やるじゃん。女神様。


「いや、なんか見れたら面白そうだなぁって思って。」


「たしかになぁ…。けど、俺はそんな人にあったことも噂を聞いたこともないぞ?」


「そっか、ありがと。」


 よぉしよしよし。いないってことはなんか自分の秘密がバレることもないってことだから、心置きなく俺のことをいじめてた奴らに復讐できるな!


 とりあえず今日は寝て、明日。早起きして学校に行ってやろうじゃねぇか。

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