第3話『大きくなったお嫁さん』
「お風呂、気持ち良かったですね」
「ああ。気持ち良かったな」
浴室から出た俺達はバスタオルで髪や体を拭いていく。
6月の後半になってきて、夜になっても暑さを感じる日が増えてきた。ただ、優奈と一緒に入っているのもあり、お風呂のお湯の温かさがとても気持ち良くて。毎年、夏の暑い時期は入浴時間が短いけど、今年は去年までよりも長くなりそうだ。
髪と体を拭き終わったので、俺は替えの下着と寝間着を着ていく。
ちなみに、寝間着は半袖だ。もう夜も寒くないし、優奈と一緒に寝るから半袖でちょうどいいのだ。そんなことを思いながら寝間着を着ていると、
「うーん……」
と、優奈の唸り声が聞こえてきた。優奈がこんな声を上げるのは珍しい。
優奈の方に視線を向けると、レース生地のピンクの下着姿の優奈が浮かない表情になっていた。どうしたんだろう?
「どうした、優奈」
「……このブラジャーを着けたらキツく感じまして。このデザインで色違いのブラジャーをいくつか持っているんですけど、実は最近、ちょっと着けづらいなって思っていたんです」
「そうだったのか。キツく感じるってことは……胸が大きくなったってことかな」
「そうだと思います。これまで、ブラジャーがキツく感じたのは胸が大きくなったのが理由でしたし」
「そうか」
優奈の胸はかなり大きいからな。ここまで成長する中で、着けているブラジャーがキツくなったことが何度もあったのだろう。
「とりあえず、ドライヤーで髪を乾かしたり、スキンケアをしたりしましょう。その後に私のバストのサイズを測ってくれますか?」
「分かった。ただ、女性のバストを測るのは、小学生の頃に
「分からないときには教えますので安心してください」
「ありがとう」
「いえいえ。あと、真央さんは和真君にバストを測らってもらったことがあるんですね。真央さんらしいです」
優奈は納得した様子でそう言う。
ちなみに、真央というのは、3歳年上の俺の姉のことだ。真央姉さんはブラコンで、優奈はそれを知っている。バストサイズを測ってもらったことを「真央さんらしい」と言うとは。姉さん、優奈に相当なブラコンだと認識されているんだな……。実際、姉さんは相当なブラコンだけど。
「真央姉さんが小学生の頃の話だけどな。その頃までは俺と一緒にお風呂に入っていたから。姉さんが中学生になってからは、母さんや下着売り場の店員さんに測ってもらっていたらしい」
「そうでしたか。私もお母さんや妹の
「そうなんだ。あと、井上さんにも測ってもらったことがあるんだな」
「ええ。萌音ちゃん、凄く楽しそうでした」
「……その姿が容易に思い浮かぶよ」
井上さんは無類の女性のおっぱい好きだもんな。バストサイズを測った後に優奈の胸を堪能していそうだ。あと、こういった優奈のおっぱいエピソードにも登場するところがさすがというか。
「ところで、優奈。今、家にあるもので快適に着けられるブラジャーはあるのか?」
「ありますよ。今日着けていたブラジャーは特にキツさは感じません。このブラよりも何ヶ月も後に買ったものだからかもしれません。色違いのものが私の部屋のタンスにあるので、今夜はそれを着けようと思います」
「それなら良かった」
「ええ。……あとで、胸のサイズを測ってもらいますし、今はブラジャーを着けずに寝間着を着ましょう」
そう言うと、優奈はブラジャーを外して寝間着を着た。
「普段はブラジャーを着けているので、胸に寝間着が直接当たるのは何だか変な感じがしますね」
「そうか。その気持ち……分かるかも。実家にいる頃……風呂に入った後、替えのインナーシャツを忘れて、部屋に戻るまで寝間着だけを着ると変な感じがしたから」
「和真君はいつもインナーシャツを着ますもんね。共感してもらえて嬉しいです」
優奈はニコッと笑った。
見ただけでは普段と変わりない寝間着姿だ。ただ、ノーブラだと思うと、ちょっと艶っぽく思えてくるな。
その後、優奈の部屋に行き、ドライヤーで髪を乾かしたり、優奈はスキンケアをしたりする。好き合う夫婦になって、一緒にお風呂に入るようになってからは、こうして同じ部屋でお風呂上がりにいつもしていることをするようになった。
「これで、スキンケアも終わりました」
「お疲れ様」
「はい。それでは、和真君に私のバストサイズを測ってもらいましょう」
「ああ」
その後、優奈はクローゼットから持ち手のある小さなピンクのケースを取り出した。そのケースは以前から使っている裁縫セットだという。
ケースを開けると、優奈はピンク色の巻き尺を取り出した。
「これで測ってくれますか?」
「分かった」
優奈は俺に巻き尺を渡すと、上の寝間着を脱いでいく。下着を着けていないので、寝間着を脱ぐと豊満な胸とご対面。お風呂や肌を重ねるときなどに優奈の胸はたくさん見ているけど、何だかドキッとする。
優奈の指示で、アンダー、トップの順番で優奈のバストサイズを測っていく。小学生の頃に真央姉さんのサイズを測ったとき以来なので、こういう測り方でいいのかと優奈に確認しながら。優奈に確認すると、
「合っていますよ。大丈夫です」
と、優奈は優しい笑顔で言ってくれて。
お風呂に入ったり、肌を重ねたりするときなどに優奈の胸に触れているけど、サイズを測るのは初めてなので結構ドキドキした。
「トップは……93cmだな」
「93cmですね。……測ってくれてありがとうございます。やはり、サイズが少し大きくなりましたね」
「そうか。じゃあ、胸が大きくなったことが下着がキツくなった理由なんだな」
「そうですね。……アンダーは68cmなので、差は25cmですか。この差ですとカップがどのくらいなのか調べますね」
そう言い、優奈はスマホで調べる。これまではFカップだったけど、今の優奈の胸は何カップなのか。
「Gカップでした。カップも大きくなりましたね」
「そっか。Gカップか。……サイズもカップも大きくなったって分かると、優奈の胸が本当に大きく見えるよ」
「ふふっ、そうですか。ここ最近になって、ブラジャーがキツいなって思うようになったので、きっと……大好きな和真君と一緒に暮らしたり、スキンシップしたり、えっちしたりしたおかげで大きくなったんでしょうね。和真君が私の胸を気持ち良くしてくれますし……」
そういったときのことを思い出しているのか、優奈の笑顔が赤らんでいて。今も上半身が裸なのもあり、凄く艶っぽく感じられて。
今の優奈の言葉もあって、優奈とスキンシップしたり、肌を重ねたりすることを思い出す。顔が熱くなっているから、きっと優奈のように顔が赤くなっているんだろうな。
「そ、そうか。優奈の大きな胸は好きだし、そう言ってくれると何だか嬉しい気持ちになるな」
そう言い、俺はGカップだと判明した優奈の胸をそっと触る。
優奈は「んっ」と可愛い声を漏らして、嬉しそうな笑顔で俺のことを見ていて。どうやら嫌だとは思っていないようだ。良かった。
「Gカップになったけど、柔らかさや触り心地の良さは変わらないな。好きだ」
「ありがとうございますっ。……ただ、いっぱいえっちしていますから、すぐにHカップになってしまうかもしれませんね。えっちだけに」
えへへっ、と優奈は声に出してはにかんだ。物凄く可愛いな。
あと……俺のお嫁さんのギャグセンスは半端ないな。気付けば「ははっ」と笑っていた。
「面白いな」
「良かったです」
「……もし、Hカップになったかもしれないときには、またこうして俺が測るよ」
「そのときはお願いしますね。バストサイズもカップも大きくなったので、さっきキツかったブラジャーと同じデザインのものは全部キツいでしょうね」
優奈はタンスから、洗面所でキツいと言っていたピンクのブラジャーと同じデザインのオレンジのブラジャーと水色のブラジャーを取り出し、着けてみる。
「……やはり、どちらもキツいですね」
「そうか」
「何着もキツいのがあったので、明日の放課後に新しい下着を買いたいと思います」
「それがいいな」
「ええ。……せっかくですから、和真君がいいなって思う下着を買いたいです。明日って確か、バイトはなかったですよね」
「ああ、明日はバイトないぞ。俺で良ければ一緒に行くよ」
「ありがとうございますっ!」
優奈は嬉しそうにお礼を言ってくれる。優奈の夫として、優奈のために素敵な下着を選べたらいいなと思う。
「あと、萌音ちゃんも誘いましょうかね。高校生になってから、放課後に下着を買うときは毎回萌音ちゃんが一緒でしたし」
「そうだったんだ。まあ、ブラジャーは胸に着けるものだもんな。井上さんが一緒なのも納得だ」
「ふふっ、そうですね。萌音ちゃんが一緒でもいいですか?」
「優奈さえ良ければ、俺はかまわないぞ」
「ありがとうございます。では、さっそく誘いましょう」
優奈はローテーブルに置いてあるスマホを手に取る。
優奈から胸がGカップになったことを報告され、下着を買うのに付き合ってほしいと誘われたら……井上さん、凄く喜びそうだな。
「あっ、さっそく返信来ました。萌音ちゃん、明日の放課後は特に用事がないので行きますって。あと、Gカップおめでとうと」
「ははっ、そうか。井上さんらしい」
井上さんの嬉しそうな笑顔が目に浮かぶよ。
「では、明日の放課後は3人で買いに行きましょう」
「ああ、そうしよう」
これまで、女性の下着を買うのに付き合ったのは姉貴くらいだから緊張する。ただ、優奈の下着を選ぶので楽しみな気持ちもある。
それから、優奈は今日着けていたブラジャーと同じデザインで色違いのブラジャーを着ける。そのブラジャーはパンツとセットなので、パンツも履き替えた。
下着を着た後、優奈は寝間着を着た。いつも通りの夜の服装になったのもあってか、優奈は快適そうにしていた。
その後、お風呂上がりの習慣でまだやっていなかったストレッチをし、寝る直前まで2人とも好きなアニメを観るのであった。
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