第2話 女子だからって何が駄目なの?
今は夏。夏の高校野球大会が開催中だ。今日は大阪桐蔭と二松学舎の対決。
一応ここは東京なので、私は毎年東京の高校を応援している。
3年生くらいの時は、「私も頑張って練習すれば高校生になったらこのピッチャーマウンドに立って試合ができるんだ」と思っていた。
でも、お父さんがまじめに頑張る私に、申し訳なさそうに
「甲子園に女子は出れないんだ」と言った。
その時は絶望。「何で女の子だからって駄目なの?」
「男の子と女の子の何が違うの?」と思い続けていた。
今はそんな幼稚な言い方はしないけれど、
「女だからってだけで、なんでどんなに野球が上手くても試合に出ちゃ駄目なの」
と思い続けている。
今だって、友達にそのことを言ったら「そもそも、女子にスポーツって必要なの?
ってか、可愛い服とか物探しにお出かけしたりする方が楽しくない?」
と、さんざんに言われた。
そのことを家族に言ったら分かってくれた。
分かってくれたクラスの女子は1人だけ。
何で友達はわからないの?
同じチームやクラスの男子は結構認めている。というか、単純に「すげえ」と言ってくれる。そのせいか、男子と男友達としてよく仲良くしている。
そのせいで、軽くいじめられている。
私が言うのも何だが、男子よりも女子の方が低レベルな傾向がある。
同性でも、違うグループの子と仲良くしている自分のグループの子がいると、
苛められる。同じグループの子が一緒にトイレや手洗いに行かないというと、
苛められる。
同じグループの子が、周りより高い点数を取っただけで、
苛められる。男子にはそんなことはない。
私は「男子と仲良くして調子乗ってる」みたいな感じで苛められているが、
男子が女子と女友達として仲良くしていても、軽く冷やかすことはあるが苛めはしない。
まったく謎である。
自分も男に生まれれば良かった、と何回思っただろう。
今は開き直っているが。
甲子園にしても女子にしても、いったい何なのだろう。
誰かが「女子も甲子園に出れるようになった」というデマを書けば、
その下には「は?なぜ女子」、「意味わからんけど、女子が乳震わせながらボール投げたり盗塁してるのはおもろくねw」「それはそーかもしれぬ」
というコメントが出る。
学校でも、誰かが何かやっただけで女子はすぐ嫌がらせを開始する。
まったく意味が分からない。
でも、私には野球が、男友達が、自分をわかってくれる1人の女子の友達が、野球のチームメイトがいる。
そう思うと、なんだか落ち着ける。
証明の150㎞ 猫原未瑚 @MikoMikko
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。証明の150㎞の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます