第2話 天人の寿命と月の神 

天人は、宇宙に数多の種類存在していて、

それぞれ寿命の長さは違うが、

月天の平均寿命は、

人間でいうところの2500歳である。

これは、天人からすると短い部類に入る。


主に月を居住地とし、その所以は、

はるか古に1人の神がこの土地を統治した縁で、天人たちが住みだし反映したのが月天の始まりだ。


その神とは、日本では、

「月読命ツクヨミノミコト」と呼ばれている。月天達は、ツクヨミを月の長とし、

ツクヨミは、

太陽や別の世にも兄弟達がいる事を月天たちには、明かしている。

つまり太陽神「天照アマテラス」

そして弟の「須佐男スサノオ」である。

日本の古書にも天津神として登場する彼らは、人間たち、特に日本の崇拝の対象とし

古代日本の歴史に名が刻まれている。

だかそれらは、日本特有の呼び名であり、

同一の神を他国では、別の呼び名で呼んでいることもあるので、

月天たちもツクヨミの事を固有名詞で呼ばず、

初めに月を治めた長として尊敬しているに過ぎないし、心の広い神であるため、我が子のように月天達と共に住んでいるのだ。

(以下ここでは、ツクヨミと呼ぶ)

ツクヨミと天人達との違いは、

神通力が使える事。

他の神との意思疎通や実際にその場に

行き来できたり、調和が常に保たれるように

父であるイザナギの命により、必要のある時のみ神通力を発揮して、普段は、月の宮殿に鎮座している。


つまり月の構成は、

トップにツクヨミが 

特別な作りでできている

月の宮殿に君臨し

その他は、月天達の宮殿が 

月の面積が許す限りに

想い想いそれぞれ住居を

創造し住んでいる。


冒頭で月天の寿命に触れたが

2500年を250年で割った10段階が

100年を10で割った10段階

つまり人間の何十代に相当する。


生まれ方は、まぐわう必要がなく

想い人同士、目と目を合わされば

片方の天人の膝から

半透明に浮き出てくるように生まれる。

それが0歳なのだが、見た目は、すでに

人間の少年〜青年のような体である。

初めから衣を着ており

しばらくしたら言語も習得し

月天としての人生が始まる。

名前などは無く、面と向かえば

自然と親類かどうか識別できる。


第一話の月天は、若いと言ったが

人間でいうところの20歳そこそこ

なので、生まれて500歳程になる。


寿命が長いだけであって

心の成長スピードの比例は、

ほとんど人間と同じである。

長く生きている分、

記憶力と知識は人間とは

比べものにならない。


例えば70代の初老の人間から

すると、500歳の天人は、記憶や知識

は豊富だが、精神的には、とても若く

見えるだろう。


その1人の若き月天は、本来なら

名前は無いが、物語を進めるに辺り

仮に下生後の名前となる(イチノブ)

としよう。


なぜイチノブは、若くして

悪天との決着を決心し

天人の死を表す

天の羽衣を捨てる行為をして

人間に下生を決意したのか。

その閃きとは?

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