第15話 開戦
「ぐ、苦しいッ..」
い、息ができない
「ゴポッ、ゴポゴポゴポ」
「ガハァッ...ハァ、ハァ、ハァ...」
ディーンは自身の青い血溜まりによって
肩で息をしながら瓦礫の上に仰向けになる。
「ゆ゙、夢か...」
ディーンは掠れた声で落胆しながら重い身体をなんとか動かして瓦礫から這い出ると、右腕を支えに立ち上がろうと─────
「あ゙、あ゙れ゙? ぼくのみぎて...」
ない?ぼくのみぎて・・・そうだ!無い!!!
ダメダメダメダメダメ!!!これじゃギターが弾けないじゃないか!!
「う、腕がない!うで、うでッ」
ディーンは辺りを見渡し、あるはずの無い右腕を探す。
「腕っ!?」
ディーンの目に細く白い華奢な腕が瓦礫の隙間から覗いているのが目に留まる。
直ぐにくっつければまだ間に合う!!
残った左腕で瓦礫から誰のとも知れない右腕を引っ張り出す。
「え」
右腕を引っ張り出したつもりのディーンは驚愕する。
なぜなら芋ずる式に右腕だけでなく腕の持ち主をも引きずり出してしまったからだ。
「この女の人・・・どこかで見たような...」
いや、そんなことより腕!
この女の人の右腕を移植すればまだ何とかなるかもしれない!
ディーンが近くに手頃な刃物がないかと当たりを見回し始めると──────
「ん、うぅん...」
女が瞼を擦りながらゆっくりと目を覚ました。
「もしかして、貴方が私を助けてくれたのですか...?」
「い、いやそのッ」
「グオォォォォ」
言いかけたところで化け物の雄叫びが近くから聴こえてくる。
「くっ、」
一旦ここから離れないと。
ディーンは女を背負う。
「キャ、えと..ありがとうございます」
ディーンはフラついた足取りでその場を後にした。
─────────────
「ふぅ、ここまで来ればもう大丈夫でしょ」
ディーンはそう呟くと雑に女を地面に下ろす。
「わっ」
突然地面を背にする形で振り落とされたにもかかわらず女はひらりと空中で反転し右手と両足を支えに見事に着地する。
「助けていただいてありがとうございます」
「なんとお礼をしたら良いか...」
「い、いやぁ...そんな」
腕奪おうとしてたなんて言えない...
二人の間に沈黙が流れる
き、気まずい
ディーンは頭をポリポリと掻きながらなにか話題を探す。
先に口火を切ったのは女の方だった。
「あの、貴方夢の中でも私を助けてくれましたよね!?」
「あ、すみません急に変なこと言って...」
「その、とにかく助けていただいてありがとうございます。あなたは命の恩人です」
?・・・あれ、これ本で読んだことあるぞ!
これってひょっとして...
_________デン
____________________7____________________
_________デン
____________________7 7____________________
>>>>>>>>リーチ<<<<<<<<<
____________________7____________________
____________________v____________________
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____________________v____________________
____________________5____________________
________________⚡︎6vs7 ⚡︎________________
>>>>>>>>__vvvvv__<<<<<<<__________________>777<__________________
>>>>>>>>__www__<<<<<<<
___キュイーンキュイーンキュイーン
_______人人人人人人_______
> > > ハーレム確定じゃん < < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「あの、お名前をお聞きしても?」
「ディーン・ソージャー君を助けた男の名だよく覚えておくといい」
「ディーン様本当にありがとうございます」
「はは、いいってことよ」
ディーンは前世で読んでいたラノベを思い出し悦に浸りながらそう答えるのだった。
「!?」
突如ディーンは自身の身に危険が迫っていることを本能的に察知する。
ズガァン
と、同時に1発の銃弾が正確にディーンの眉間目掛け飛んでくる。
─────キン
白銀の太刀筋が一閃したかと思うと、撃ち込まれた弾丸は、
「ヒィッ」
思わずディーンは情けない声を出してその場にへたり込む。
「おい、どけ悪人女!こんな状況でも正義の悪人狩りを執行するこの主人公様の邪魔をすんな」
「ここは私に任せて隠れてください!...ってもういない!?」
女が言うよりも早くディーンはとっくのとうにその場から姿を消していた。
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