料理の話

隆太「カレーをスパイスから作ってみた」


和樹「へぇすごい! でもスパイスって高くない?」


隆太「まぁな、俺結構料理好きだからさ、バイトの給料はたいて買いたくなったんだよ。アマゾンで」


和樹「アマゾンいっぱいあるからねぇ、今日の弁当ってそのカレー入れてるの?」


隆太「そそ、だから結構香りするだろ」


和樹「でも普通にカレールゥで作ったら良くない? 安いし」


隆太「分かってねぇなぁ、ルゥには余分な保存料とかいろいろ入ってるんだよ、だから自分で素材をそろえて作った方が栄養がいい」


和樹「隆太ご飯にはうるさいよね、調理実習の時他の人の仕事取るしさ」


隆太「いやそれは、悪いとは思ってるよ。だってジャガイモの芽をとる時にピーラーの刃で削りまくってるんだぜ? 可食部勿体ないだろ。それに肉切ったまな板と包丁洗わないし、砂糖と塩間違えてるしよぉイライラ」


和樹「まぁまぁ、でもあの肉じゃが、まぁ、悪くなかったしさ、煮干しのぽろぽろ感とか、隠し味のケチャップもね、中々いい味出していたよ」


隆太「いや、それだけじゃないんだ、同じ班の山本がよ、お茶碗を肉じゃがの器の上に乗せてるんだぜ? ありえるか? 油がお茶碗の底に付いて、洗い物するときに無駄に入念に磨く必要があるしよぉ。しかも米くっついてるんだぜ!?」


和樹「どんだけ気にしてるんだ、それくらい許してやってもいいじゃない?」


隆太「洗いづらいんだよなあれ、三角コーナーに米溜まると、勿体ないなぁって思うし。ゴミ捨てる身にもなれってんだよな」


和樹「お母さんみたいなこと言ってる……」


隆太「主婦って色んな苦労抱えているんだなって思うよ。母は強いぜ」


和樹「で、初めてスパイスカレー作ってみてどうだったの? 成功した?」


隆太「ああ大成功も大成功さ、隠し味に腐りかけバナナとドラゴンフルーツ、カキをすりおろして作った自家製オイスターソースでコクを出し、白菜から抽出した水分を使っているから栄養も満点なんだ。多少葉物の臭みは出るが、スパイスで打ち消しているからな。加えて……」


和樹「……いやいいや、普通のが出来てからまた呼んで」

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