バナナについて
和樹「バナナって、マジ神だよな」
隆太「神ってなんだよ神って、バナナ教の信者なのか?」
和樹「そうじゃなくて、あんな人間に都合のいい食べ物があって良いのかって話だよ」
隆太「ふむ、確かにそうだなぁ。甘くて美味しいし、何よりハンディで持ちやすい。昨今の感染症で非接触が売り文句に使われることも増えてきているけれど、バナナはまさにその要件を満たしている」
和樹「感染症については流石に考えてなかったけど、その通りだよ。あんな植物がよく今世まで種を存続させてるなって思うもん」
隆太「といっても、人間って農業とか酪農とか、自分で生物をコントロールするところはあるからな。種の存続って点では、言ってしまうと人間のお陰ってことだ」
和樹「いやでもだよ? 最初からバナナっていう遺伝子を作ろうとしてなかったわけじゃん? 品種改良前のバナナがあったからこそ、その遺伝子を組み替えたりすることができたわけで、皮をめくって中の果実を食べられる果物作りて―なって思って出来てないじゃん? となると、ちゃんとバナナっていう植物の遺伝子は自力で種を存続させてきたってことなんだよ」
隆太「まぁその品種改良や遺伝子組み換えの過程で、あんなに甘いバナナが開発されたわけなんだろうな。つまり、何故自然界で、あんな持ちやすい形状に生き残ったのかってことか」
和樹「そうそう! それが気になって今朝バナナ三本くらい食べちゃってさ」
隆太「食べ過ぎると尿路結石できやすいから気をつけろよ。でもその話なら、ネットで見たことがあったな」
和樹「隆太も気になってんじゃん、バナナ教の信者じゃん」
隆太「バナナ教の教えによると、バナナは動物に食べられることで、その動物が糞として種を落とすことでその種族を広めていったって聞いたことがある」
和樹「ほぇ~、なんかあれだね、花粉を蜜蜂に付着させて受粉する華みたいなことしてるね」
隆太「だな、さっき遺伝子をどう自力で存続させたのかって言ってたけど、結局100パーセント自力で何かを成し遂げるのなんて無理ってことなんだろうぜ」
和樹「つまり、バナナ教の神は人間だってことだな」
隆太「そりゃ人が持ちやすい形状になるわけだ」
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