君と旅とスーツケースと

第1話 君と旅とスーツケースと

道を行くカタカタ音とハイヒール、スーツケースのペットを連れて

おなじ型スーツケースを見ていたら心の中を見られたような

男物スーツケースを何気なく連れて歩くのひとり旅かな

一緒に片手をひいて連れまわすスーツケースか恋人の君

ぬいぐるみ、あれこれ違う同じ色スーツケースとネームプレート　　　

どこいある握ってるのは、どっちだろスーツケースか君の手なのか

おなじもの避けたつもりがダブってるスーツケースとネームプレート

みつけたよやっぱり君のお好みは派手なシールのスーツケースか

まちあわせコンビニ前で白ワンピ風にゆれてる君にほほえむ

目指すのは君のすまいに決めたから覚悟していてこれからずっと

私もそれに乗せてはこんで君が引くスーツケースに君の部屋まで

カタカタとスーツケースを引く君はどこに泊まるの君はほほえむ

君のいえ泊めてくれないこの中に入っているから大丈夫

行きたいねうん行きたいねハネムーン結婚するのどこにいこうか

金かしてどうしてないのお財布を入れて預けたスーツケースに

ポケットの引換券はおみやげのチョコレートだ顔をみあわす

若き日のスーツケースの思い出は粗大ごみでもふたつ並んで

色褪せたスーツケースにそのままに入ったままの青い海空

押し入れのスーツケースも詰め込んだ荷物はどこにおいてきたやら

旅先でいっぱい買ったお土産を君と詰めたねスーツケースに