願いと頼み
雑貨屋の中では先程の猫が、黒服の老婆の足元に近づいて擦り寄っていた。
『初めまして、あらまぁ〜可愛い方がいらしたわね』
可愛いのは猫の方か、私なのかは分からないが。
その人は魔女だと、一目で分かった。
彼女が座る椅子は二、三ミリ程度だが浮いていて、近くには浮いたボトルが中身を机上にこぼしている。
最初は透明人間が居るのかと疑ったが、それは老いた女性が人差し指をゆっくりふるうと。
それはピタリと止まったり、再びワインが流れ机が濡れたりするのだ。
海に沈んだ未来図書館は古の魔法使い 蟹戦艦G @denger
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