私は……。
れい
(読み切り)
クラスの子が学校を無断で休んだ。
最近の世間は物騒だからみんなが心配した。
特に心配してたのはその子の親友の茜だった。
茜が泣き始めた、みんなに囲まれて。
私は見てしまった。……?
クラスの子が死んだ。
茜が死体を夜中まで探したら見つかったそう。
事件性とみて、最近の事件の模倣犯が現れたタイミングで殺されたからそいつが犯人だろうと警察は疑っていた。
クラスの女子はみんな泣いていた。茜を中心として。
私は知っている。だから……。
クラスの子が死んでから月日が経った。
犯人は捕まった。だけど否定をしている。
顔も見たことがないと。
みんなは怒った、悲しんだ、憎んだ、恨んだ
そんな中、言えなかった。
私は笑ってしまった。犯人は……。
私は見てしまった、茜の口角が上がっているところを。
私は知っている、だから泣けなかった。
私は笑ってしまった、犯人は茜だというのに。
私は…私は…茜に殺された。
茜の手には斧。クラスの子の体はバラバラだった。
返り血で染まった茜の顔は死体を見て笑っていた。
恐怖で何もできなかった。逃げることしかできなくて。
そして、私は捕まった。
茜の手にはクラスの子のときと同様に斧、私は真っ赤に染まった。
私が最後に見たのは茜の今までに見たことのない満面の笑みだった。
私が死んでもクラスの子達は泣いてくれるだろうか。
私は……。 れい @Rei_1201
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