💰チトセの日記⑥
なんだかんだで、この世界にきて三ヵ月がたった。
ぜんぜん元の世界に帰れる気がしない。
手掛かりすら見つからない。
ダリスが、最近の異世界転生モノは元の世界に帰れないのが主流だから……とか言ってるんだけど、マ?
まだこの世界に骨をうずめる覚悟はできてないんだけど。
ヨミお姉さまとジュハくんのおかげで、モンスター狩りはとても順調。
湖のダンジョンもけっこう奥の方まで行けるようになった。
街でもボクたちのことが話題みたい。
歩いていたら知らない人からすれ違いざまに、黒い衝撃だって言われることがときどきある。
黒い衝撃って。
もう少しいい感じのあだ名はなかったのかな。
今日ダリスが、もっとお金を稼げたらなあって顔をしていたから少しだけアドバイスをしてあげた。
ヨミお姉さまとジュハくんの分割払いも残っているし、このあたりで借りを返しておこうと思ったから。
断じて、豚っぽい動物の肉を焼いた串に負けたわけじゃないから。
それにしても……、ダリスにはいつも驚かされる。
スモールビジネスを知らない人はいくらでもいるし、スタートアップを起業のことだと勘違いしている人はめずらしくない。
だけどB2Bにせよ、B2Cにせよ、事業をやったことがあったら、レッドオーシャンを知らないってことはないと思う。
もしかして、ダリスは前世で事業をやったことがないのかも?
ちょっとどころではなく不安になってきた。
このままダリスと一緒にいて大丈夫なのかな。
この世界は、元の世界でいうところの中世から近世くらいの水準なんだから、ちょっと視点を変えるだけでいくらでもビジネスの種を見つけられる。
まだ誰もやっていないこと、がいくらでもある。
顕在化していないニーズがごろごろ転がっている、まるで宝箱みたいな世界だ。
ダリスの周りにもキラキラしたものがいっぱいあるハズなんだけど、ちゃんと見つけられるかな?
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