　今日はすごくすごく良いことがあった！

　ヨミお姉さまがジュハくんを助けてくれた！！

　ここに来てからだいたい二週間。

　これまで一度だって戦闘に参加してこなかった、あのヨミお姉さまが！

　ジュハくんを助けるために、マヒの魔法をこめた矢を射てくれた！！

　ああ、感動したなあ。

　元はと言えば、ダリスがジュハくんに日本語で指示をだすなんてスーパーケアレスミスをしたのが大問題。

　あれでヨミお姉さまが助けてくれなかったら、かわいいかわいいジュハくんが死んじゃってたかもしれないんだから。

　ダリスのドジ！　マヌケ！　あほたわけ！！

　でも結果オーライだからゆるす。しぶな。しぶ。

　こっちの世界の言葉もちょっとずつわかるようになってきた。

　読み書きはまだまだだけど、しゃべる方はかなり良くなってきたと思う。

　やっぱり目的があるっていいよね。

　ヨミお姉さまと仲良くなりたい！

　ジュハくんの耳を少しでいいからさわらせてもらいたい！

　そんな強い思いが、ボクの習得スピードをマシマシにしてくれている。

　目的にもすこしづつ到達している。

　昨日はジュハくんに頭をなでさせてもらった。

　いきなり耳をさわらせてって言ったら、ちょっと変な人って思われそうじゃん。

　人間同士で考えたらわかるよね。

　会って二週間の外国人

しかも異性からそんなこと言われたら、ボクならドン引きするもん。

　ヨミお姉さまとも、夜にコッソリお話できるくらいの仲になった。

　実はダリスからだけじゃなく、ヨミお姉さまからもこっちの言葉を教えてもらっている。

　もちろん、ヨミお姉さまは日本語を知らないから、ボクがアレはなに？　って聞いたら教えてくれるQ&A方式。

　ヨミお姉さまの透き通るような声で教えて貰えば、どんなものの名前だって一発で頭に入ってくるから、めちゃくちゃ効率がいい。

　たぶん、あと二週間もあればボクはこっちの言葉を日常会話レベルならマスターできるんじゃないかな。

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