転生しても俳人だった。

鈴呂屋こやん

転生しても俳人だった。

 最後かとパノラマを見る道凍てし


 山吹よ死出の山路は斯くのごと


 滝音はなるほど黄泉か花の果て


 峠道越えて霞むや石河原


 尊きは佐保の女神のほつれ髪


 もう一つ命あらばや又の春


 王城の天窓高し聖五月


 倒さばやいつか魔王を虹の果て


 門を出て異界の市や風薫る


 雑踏に獣人もあり耳に薔薇


 白銀の女戦士は涼し気に


 けぶりくる露店の魚や鮎に似て


 明日知れずビールに笑う冒険者


 白靴の回復術師悔やみあり


 明け易き空よ魔王の心知れず


 いつまでと続くいくさは夏の草


 遥かなり濃い紫の雲の峰


 雷に見えては闇や魔王城


 転生の世にまた散るや芥子の花


 清水陰スキルで刻む道祖神

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転生しても俳人だった。 鈴呂屋こやん @manyashoya88

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