25.毒の一滴 —報酬—
紅い金魚の尾が、彼の目の前を揺らめいていた。
激しく咳き込んだ挙句に、目眩を起こしてソファの上に倒れ込んだ彼の前を、幻のように空飛ぶ金魚のおもちゃの姿がくるくる回る。
すぐにおきあがれないでいると、不安そうに、ついっと彼の手あたりを金魚がつついた。
「う、……ああ、大丈夫だよ」
ソファで休んでいたサーキット・サーティーンは、青ざめた顔でうすく微笑む。
「なんだろうな。最近、ちょっと疲れているみたいだ。調子が悪くてね」
身を起こして、サーキットは回復用サプリメントを口にくわえて火をつけて、吸引する。
昔はマルベリーに「煙草みたいで周りの子供達の教育に悪い」「師匠には似合わない」「ガラが悪い」と怒られたものだが、流石にこの時はただただ心配そうだった。
吸引式の回復サプリメントは、やや効き目が早い。目眩が改善され、多少気分も良くなったのか、サーキットは、大きくため息をついた。
「少し無理をしすぎたかな」
マガミ・B・レイに近づく為に、マルベリーと一緒に魔女計画の実験に参加したサーキットは、近頃、そのマガミからの要求により、よりハードな日程で依頼された実験をこなしている。
実験とはいえやっていることは、泥の獣の討伐といった実戦をともなうものであり、マルベリーよりサーキットの側に負担が大きいのも確かだ。
つい、とおずおずとサーキットの手を撫でるようにつつくマルベリーに、彼はまだ青い顔で微笑んだ。
「大丈夫。平気だよ」
サーキットはいう。
「もうすぐ終わるから。……ヤミィからの情報も得たことだ。あとはタイミングを待つだけ」
サーキットは、ため息をつき彼女を優しく撫でる。
「全部終わったら、レディにはご褒美をあげなきゃね。一緒にどこかでバカンスしようか。キミの好きな花に囲まれた良いところで、のんびりしよう。……それがいいよ」
心配そうな金魚が彼を見上げる。
一瞬、視界に入ったサーキットの長い髪の、ほんの数本が脱色されていた。白髪ではないが金色に見えるそれは、美しいブロンドのそれではなく、色褪せて衰えた色に見える。
*
いつものように、サーキット・サーティーンをめぐる記憶の続きが夢の中で流れ込んでくる。
私は、また『彼』も、私を通してこの夢を見ているのだろうかと考えていた。
私にあの非情な取捨選択の質問をした『彼』は、てっきりマガミと共に私の反応を楽しんでいるのだと思っていたのに。
その不確定な事実とあの時の声が、私の彼への怒りを和らげていた。
この先を知りたいと願うのは、もちろん自分のためであるが、彼のためでもある。
『教えて』
不意に声が響いた気がした』
『教えてくれれば、君にお礼を必ずしてあげる。お願いだから教えて』
もし、全てを彼に伝えて、私の答えを告げたとしたら、その時、彼はどんな報酬を与えてくれるというのだろうか。
私の中に、今度は弟の記憶が流れ込んできた。彼の記憶は、私が彼と兄弟な為により鮮明に、かつ容易に開かれていく。
*
「随分、庭が荒れちまったなあ」
弟はやや眠そうながら、窓の外を見ながら、子供達の様子を見ていた。
ここはサーキット・サーティーンが担当していた施設だ。
道場のような広い板張りの講堂では、白騎士候補生の少年たちの鍛錬が行われている。
「サーキットのやつ、どこに行ったんだ? おれが代わりに呼ばれるとか、全然穏やかじゃねえな」
サーキット・サーティーンの不在により、弟は時々彼の担当していた任務に携わることがあったようだ。
彼は白騎士候補生の弟子たちの訓練の監督をしているのだが、近頃不在がちだった。管理局もその件については把握しているものらしく、留守中にこうして弟に代務に入るよう依頼があることがあった。
しかし、弟がサーキットと顔を合わせて引継ぐことはなかったようで、弟はその点、不審に思っていた。
「あのサボり魔が熱心に仕事なんてな。何があったんだよ。無理してなきゃいいがな」
私は恥ずかしながら、弟がこのような任務についているとは知らなかった。
私と彼はその頃には、すでにテーマパーク奈落に左遷はされていたものの、個別に任務を請け負うことも多く、私は弟の不在に気を留めることはなかった。おそらく向こうもそうであったろう。
だから、私は、彼とサーキットの間にやり取りがあったことなど全く知らなかったし、気にすることもなく、蚊帳の外でもあった。
「よーし、お前ら休んでいいぞ」
「はい」
弟は、白騎士の子供達に休憩を言い渡す。ここでも弟はサーキットの弟子の心を掴んでいるらしく、それなりに親しくしているようだった。
弟は師匠に向かないという理由で、こういう仕事はあまり自分からしなかったが、さすがに子供の扱いは上手いし、本人も手慣れたものでストレスもないらしい。
子供達が講堂からでていくと、弟も休憩室で休むことにしたらしい。
「あーあ。昼間から働くと眠いんだよなあ。夕方だがちょっと夜に備えて寝よ」
夜な用事があるわけではないが、夜型の弟は夜に活動しがちだ。そんなことをいいながら、弟は休憩室のソファにごろりと横になったようだった。
ぼんやりと天井を眺めながら、弟は惰眠を貪ろうと心地の良い眠気に身を任せようとしていた。
と、その時だ。
彼の視界に紅いものがふわっと目に入った。
ふわふわと浮かぶ金魚のひれ。
彼は、それをちらりと視界に入れた。
弟はそれを綺麗だと思いながら眺めていたらしいが、金魚が彼の頭上をゆるやかに周回するにつれ、その金魚に思いあたりがあって起き上がる。
「あれっ、お前、サーキットの?」
弟は声をかけた。
「お、なんだ。お前。サーキットが飼ってる金魚だよな」
ふわふわ、ゆらゆら。
空中を泳ぐ金魚は優雅で美しい。弟は自然に左手を伸ばした。その手に金魚がまとわりつく。
「へえ、かわいいもんだなあ。ペットロボットなのか? あー、おれもこういうの欲しいな。おれだったら、小鳥タイプかなあ。いや、お前もすげえ可愛いけどさ」
弟は可愛いものに目がない。
金魚も弟に警戒はしていないと見えて、ゆるやかに彼の懐の方に入って、撫でられている。
「あー、可愛いなあ。サーキットから譲り受けたいくらいだぜ」
と、弟は不意に周りと見渡した。
「あれっ? お前一人だけか? ご主人はどうしたんだよ?」
どうもサーキット・サーティーンの気配がしないことに、弟は気づいたようだった。
この金魚がマルベリーと名前をつけられ、かつ、かつて同じ名前の少女だった女に残されたナノマシンを引き継いでいるのを、弟はまだ知らないとみえるが、彼女がただの金魚のおもちゃではないことには、気づいているようだった。
「お前のご主人様、帰ってきていないのか?」
金魚は訴えるように彼の周囲を周り、その袖を引いた。
「どうしたんだよ」
弟は小さきものには基本優しい。
ついつい、と金魚は彼の袖を一生懸命引っ張る。その健気な様子に、弟は何かを感じ取ったらしい。
「サーキットになにかあったのか?」
引継ぎにすら現れぬ彼のことを、弟も心配はしていた。
サーキット本人の噂を黒騎士連中から聞くこともあったが、近頃は立身出世のためにマガミ・B・レイにあからさまに媚を売っているような話ばかりだ。
弟はそんな彼の真の目的を理解していたが、彼の行動に心配も寄せていた。
ついつい。
金魚は、彼の着物の、袖を引っ張ることしかできない。が、一緒にきてほしい、と頼んでいるようであった。
「わかった。一緒にきてほしいんだな」
弟は意を汲んでそういうと、
「お前、案内はできるか? おれをサーキットの元までつれていけ」
金魚をするりと撫でると、弟は起き上がり自分の刀を腰に落として、動き出した金魚を追いかけて外に出た。
金魚のマルベリーが弟を案内してきたのは、研究所近くの例のマガミの息のかかったバーだった。
その頃にはすでに暗くなっており、天候も悪くなっていた。雨すら降り出しそうで、不穏な空気が漂う。
「おっと、ここかあ。まずいなあ」
そんなことをぼんやりという弟に、マルベリーが何がまずいのか、と言わんばかりに振りあおぐ。
「ん? 何がって? おれはここ出禁だから」
などと、弟は正直に言う。
金魚のおもちゃにしか見えないマルベリーを相手にしていても、弟は人間相手のような話ぶりだ。
「マガミの息のかかった飲み屋だろ。……ここ要人も来る場所だからよ、入れる黒騎士はただですら選別されるんだ。まあ、それだけでなく、研究員の連中とはあんまり仲が良くねえし、同伴している黒騎士とも喧嘩したし。それで、出禁」
どうも私の知らないところで、やらかしているらしい。
「しかもよー、ココ、ただの飲み屋じゃねえっていうか。あいつらの隠れ家、隠し研究室みたいなところもあるんだよな。……それだけにおいそれと侵入できねえんだが……」
どうしたもんかなあ、とバーの裏手に回ってどこかに入れる場所はないものかと、弟は思案しているようだった、が。
「ヤハタさん、まだお仕事ですか?」
不意に声が聞こえて、弟はするりと物陰に姿を隠す。こう見えて彼は隠密行動が得意だ。
きい、と裏口の扉が開いて出てきたのはヤハタ・ビーティアだった。帰宅する研究員を見送りに来たらしい。外に出ると、彼女たちは少し立ち話をする。
「例の魔女計画のデータ整理も大変ですね」
「ええ。彼の協力は、一応表向きにも理屈をつけているけれど、まだこの話自体は表に出していないからね。……反対する人もいるから。解析はここでやっていくわ」
「いつも遅くまで、お疲れ様です」
そういって帰っていく部下を見送ると、ヤハタ・ビーティアは、ため息をついた。
白くて美しい顔は、いつも凛々しく引き締められていたが、その時は一瞬疲れたような、不安そうな顔になっていた。
「さ、続きやらなきゃ」
彼女はここに飲みに来ているというより、仕事終わりに別の研究の為に立ち寄っている、という立場のようだ。
と、そんな彼女の口を白い手が塞いだ。
「ッ!」
「おっと、声立てるなよ」
ビーティアの視線の先にいるのは、当然ながら弟だ。ぐっと彼女を抑え込みつつ、弟は言った。
「おとなしくしてくれりゃ、別に危害加えないぜ。っていうか、正体バレバレだしな」
少し力を緩めると、ビーティアは彼を睨んだ。
「あなたは、ネザアス」
「ヤハタの姐さんよ、騒がれたくなきゃ、おれを合法的にこっそりここに入れろ」
「何を言っているの? 脅迫するつもり? 通報するわよ、あなたのやっていることは……」
「サーキット」
声を荒げようとするビーティアに、弟はズバリと言った。
「サーキット・サーティーンがここにいるんだろ。アイツが何の実験に関わってんのか、バラしてもいいのか。どうせまだ公にできねえようなこと、やってんだろ。いーのかねえ。アンタの大事な研究、吹っ飛ぶぜ?」
弟は明らかにカマをかけている。なにせ、彼は何も実験の中身を知らないのだ。
「あ、あなたがそんなことを、知っているはずがない」
「おれがしらなくても、コイツがしっているよ。なあ」
そういって弟は金魚のマルベリーに視線を向ける。
「何とでもなるんだぜ。その気になれば、コイツごと、オオヤギのとこに持ち込んでやるからな」
そういう弟と彼女の姿に、ヤハタ・ビーティアが一瞬詰まった。
「おれは、別にアンタのやってることに興味はねえ。この金魚がサーキットに会いてえというから連れてきただけだ。表口でも裏口でも、おれを中に入れさえしてくれれば、今回おれはアンタのことなんざあ、どうでもいい」
ぐっとビーティアが、彼を睨みつけるが、マルベリーに気を取られているせいもあるのか、なんとなく覇気がない。
「なァ、ヤハタの姐さん、別に悪い取引じゃねえだろ。酔っ払った仲間引き取りにきたってことにして、店に入れろ。そうしたら、黙っててやるよ。本当に、おれはサーキットを迎えにきただけなんだからよお」
「ッ! ネザアス!」
ビーティアは弟を睨んだが、観念していた部分もあるらしく頷いた。
「わかったわ。手を離して」
「よし」
弟はそれを確認して手を離す。
そのまま、ビーティアは彼を店の中に案内する。
弟に関係者の発行できるIDを渡し、ビーティアは彼を建物の中に入れた。
「なるべくバーの部分は通らねえで入りたいな。おれ、目立つから」
「要求だけは大したものね」
「そりゃどうも。こういう荒っぽい任務に慣れているもんだからな」
ビーティアの憎まれ口を余裕でかわしながら、弟は彼女について進む。
ざわざわとしているバーを避けて、裏口から廊下に入り進んでいくと、階段があった。地下があるようで、ビーティアが階段を降りるのについていく。
「貴方とサーキットの間に、交友があるとはきいていない。謹慎の際の身柄を預かられていただけじゃなかったの?」
「そりゃあしょうがねえ。おれもあいつも交友しているつもりねえからな。第一、なんでそんなこと、ヤハタの姐さんやマガミにいわなきゃいけねえんだ。仲の良いヤツ知られるなんざあ、弱み掴まれるだけじゃねえ?」
弟のいけしゃあしゃあとした言い分に、ビーティアは憎々しげな様子になる。
「サーキットはどうしてんだよ」
「今日は定期連絡の日よ。マガミさんにデータ報告したりしている。ここのところ、実験を詰め込んでいたからね。本来、もうちかくの宿舎に戻ってもらう時間だけれど、長引いているんでしょ」
「それなら、この金魚だけがどうしておれのところにきたんだよ」
「それは、わからないけれど……」
とビーティアは眉根を寄せた。本当に知らないらしい。
「ただ、最近、彼、疲れているみたいで、調子が悪いみたい。それでもマガミさんにお酒勧められたら断らないし、飲みすぎて、気持ち悪くなって、休んでいるんじゃない?」
「サーキットみたいな黒騎士は、普通うわばみだぞ。おれはあんまり得意じゃねえが、アイツはうわばみもいいとこだろ」
「だから、最近、体調崩しているみたいで」
とビーティアが返答している間に、目的地に着いたようだ。
「あそこよ、マガミさんの部屋は……」
と言いかけた時、不意に弟が彼女の手を引いて止めた。
「何」
「アンタのIDで部屋の扉を開錠だけしろ」
「えっ?」
「いいから」
ビーティアは不満げだったが、弟に逆らうことはせずに言う通り、IDだけ通す。
小さく鍵の開く音がしたところで、弟は彼女に先立ち、そっと少しだけ扉をあけた。
室内の光と音だけが、静かに漏れる。
弟がそうした理由は、多分勘だった。
室内では、サーキットの何かしら報告する声が聞こえていたが、それは途切れ途切れだった。はあはあと苦しげな息遣いで、時折、咳き込むのも聞こえる。
「どうしたんだい。随分と調子が悪そうだね。飲みすぎた?」
「あ、ああ。悪いけど、報告、少し、休ませてもらえるとありがたいね。ちよっと気分が……」
サーキットは、肩で息をしていた。顔色も悪く、冷や汗をだらだら流している。
「最近、少し疲れて、いるみたいでね」
「疲れかあ」
マガミは柔らかく微笑んだ。
「そうか。じゃあ、そろそろ君の体に効いてきているんだな。意外と時間がかかったね」
バッとサーキットは、青ざめた顔を上げる。
とマガミは繊細で優美な顔に、貼り付けたような笑みを浮かべたまま言った。
「君に与えた
はっとサーキットが顔を上げる。
弟とビーティアの潜んでいる廊下には、開けた扉から声が漏れている。それを聞いたビーティアが口を抑えた。
「っ、やっぱり、あの薬を使ってたんだ」
ビーティアが怯えたように小声で呟く。
「あの薬?」
弟は聞き返すが、動揺しているビーティアから返事はない。
室内の話は続く。
「劣化?」
「そう、実はこっそり研究していたところなんだ。黒物質を劣化させる、老化させてしまう毒。……それ自体はもうすでにあるんだけれど、これが黒騎士にも効くものかどうかってのはわからなかった」
マガミは、からんと氷の音を立てながら、自分の持っていたグラスを、サーキットの前に置いた。
「今まで君に、お仕事の報酬として飲ませていたお酒に一滴ずつ、それを垂らし込んでいた。どこで効き出すかなって思っていたんだけれどね」
「ッ!」
サーキットは、ぐっとマガミを睨んだ。
「流石に黒騎士の体で人体実験はできないから、君が飛び込んできてくれて、良い機会だったよ」
マガミは薄く微笑んだ。
「君は僕に対して害意があったようだから、僕がどうしようと、言い訳はつくからさ。アマツノくんはああ見えて君たち黒騎士に対しては甘いところがある。理由もなく、こんな実験には巻き込めないんだよね」
サーキットが、ふっと苦笑した。
「な、なるほど。……こちらの考えは読まれていたわけだね」
「てっきり、魔女の件では君たちの兄弟喧嘩で終わるものだと思っていた。まさか、僕の方に矛先を向けられるとは」
「ふん、ヤミィがああなったのも、元はと言えばキミのせいじゃないか。昔の彼は、今よりはもう少し人間的だったよ」
息を荒げながら、サーキットは身を起こす。
「微かながら残っていた人間らしさを、剥がして行ったのは、キミとキミにのせられたアマツノくんだ」
「これはひどい言い草だ。それに驚いたな。君に彼を弟だと思う情がわずかながらでもあるとはね」
マガミは苦笑した。
「ヤミィが君を
「そんなことはわかっているさ」
げほげほとサーキットは、咳き込む。その指に赤い血のようなものが付いていた。
彼の長い黒髪が徐々に色褪せたものに変化していく。
「
ビーティアが動揺した様子で呟く。
「あのままじゃ、彼……」
弟は難しい顔をして黙って室内を伺っていた。そんな彼の中身のない右の袖にマルベリーがぐるりと入り込んでふるえている。
サーキットは、ため息をつく。
「わたしがヤミィを気にかけるのは、わたしに残された最後の情さ。わたしはそもそも、彼を止めるために作られている。普通の兄弟の情愛なんてものは、わたしたちの間にない。それでもね、少ないながらに気持ちはあるものだよ」
「そうなんだね。それは羨ましいことだ」
マガミが冷たく彼を見下ろす。
そのとき、サーキットが薄く笑った。
「羨ましい? それなら、キミの身にも覚えがあるのかな。キミがアマツノくんを助けるふりをして狂わせるのも、だとしたら、兄の情だというのかい」
そうはっきりいわれてマガミは流石に驚いた様子になった。
サーキットは、にやりとした。
「アマツノくんの母親はマガミ・ミツヒ。当時、禁じられていた手法を使って、遺伝子操作し、天才児を作り出した罪深い女。出来の良かったアマツノくんは養子に出された上で彼女の手元で育てられたが、彼女には他にも子供がいた。しかし、失敗作だとみなされて、その子供は捨てられて施設で育ったという。その子は、愛された弟にどんな感情を抱いて育ったんだろうな」
マガミが初めて動揺した顔になる。
「その子供がマガミ・レイ。創造主アマツノの母に見捨てられた兄。それがキミだろう。マガミくん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます