いずれかの踊り子
@captainorima
第1話
踊り子がいた。奇怪で軽妙なdanceを夜な夜な踊った。有名になりたかった。彼女の生活は逼迫していた。実力が無い人間が富むのを許せなかった。彼女は踊りが上手かった。でもその技術を、蓄積された経験を、存分に発揮出来る踊りは踊らなかった。今まで信じて来たものが否定されていた。蟻が象を踏み潰すようなものだった。
幾晩のdanceを超えて、彼女は有名になった。望んだ生活を手に入れた。舞は夜な夜な続いた。退屈が増した。酷く退屈だった。自分の身を切り売りしていた。夢見たdanceの世界に自ら泥を塗り続けた。
そして踊り子は自分の足を切り落とし、もう踊れないことに安堵した。
いずれかの踊り子 @captainorima
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます