あなたさがし
宇佐見凪
あなたさがし
この世界はこんなにも眩しいのに あなたがいなければ どこか暗いよう
あなたを失ったその日から わたしは彷徨い続けている
小鳥のさえずりで目が覚める コップ一杯、それだけでわたしのお腹は満ちたようで
少ない荷物を肩にかけて さあ、冒険へ
目の前に広がる世界は あなたがくれた、贈り物 あなたを引き換えに得た、まがい物
今日も世界は輝いていると、みんな口々に言うけれど 取り繕った笑顔ではにかみながら 苦しむのはわたしだけ?
若葉を蹴って 茨を抜けて 雲を切って さあ、冒険へ
広がる木々に 止まっているのは誰 ふと掌に落ちてきたあなたは、どうやらわたしと同類のようで あなたなしでは 生きられない
ひとりぼっちだった旅に、仲間が増えた あなたを想っていることに かわりはないよ さあ、冒険へ
わたしはあなたを必要とするけれど あなたはわたしが要るのかな? 昔から何でもこなすあなたには わたしは無意味、だったかな
だとしたら、ごめんね でも絶対、見つけてみせるから
今日もあなたは わたしの前に、姿を現さないの? 怖がらないで、あやまるから
ごめんって、言えるようになったから たぶん昔より あなたのことを支えられるから
ねえ あなたのおかげで、世界は救われたけど あなたのせいで、わたしの世界は死んだの きっと見つけてみせるから そうしたら、もう一度 世界を救ってくれる?
今日もわたしは あなたを探すよ 終わりのない世界の中で 再開を目指して 再会を目指して あなたはわたしの
あなたさがし 宇佐見凪 @usaming
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます