第九話 『脳筋』
「まだこのパーティのメンバー募集はしているか?」
「あ、はい」
「なら私も入れてくれ」
「いや急に入れてと言われましても…」
「そ、その前にあなたの名前なんて言うんですか」
イオンが言う。
「クレイだ。よろしく…」
「どうしました?」
クレイさんの様子がおかしい。
「あの…飯を3日ほど食ってなくて…」
食わせろってことかい!
「おいしい…」
「3日ぶりの飯って…」
「なんでそんなに食べてないんですか?」
「ちょっとお金がなくてね…」
「パーティに入ったり仕事したりとかやらなかったんですか?」
「仕事は全部クビ、パーティにもいレてもらえなくて…」
思った以上にこの人ひどいな…
「ということで俺のパーティ募集のところへ来たってことですか」
ていうかなんで他のパーティには入れてもらえなかったんだ?
嫌な予感がする。
「では、うちの入団試験をやりましょう!」
そうイオンが言う。
お前は、ただただ戦闘したいだけだろ…
ていうかこの人パーティに入れても大丈夫なのかな…
〜平原〜
いつも通りゴブリンを倒しに行ったのだが…
「「これはひどい」」
まあその…ゴブリンを倒しに行ったのだが…
「魔法の力弱くないですか?」
そう、この人魔法使いなのだが魔法が全然使えない!
「いやでもその代わり防御力には自信があるし、筋力も、、、」
「いやなら剣士とかやれよ!」
俺は思いっきりツッコんだ
「いや、どうしても魔法が使いたいんだ!」
そりゃあパーティ入れないよな…
「じゃあ僕らはこれで…魔法の練習頑張ってください!」
と、言ったところでクレアに襟を掴まれた。
「捨てないでくれえ!」
「ちょっ痛いです!やめてッ死ぬッ!冗談抜きで死ぬッ!」
「別に入れてあげればいいじゃないですか…私も話し相手ほしいし…(小声)」
おい。そんな理由かよ。
てか俺の話面白くないの?
ちょっと傷つく…
「そうですよねイオンさん!さすが!私の気持ちよくわかってくれる!」
あーイオンと同じ流れでこれも断ったらダメな奴だね。
「俺に拒否権はないんですか…」
「「ないです」」
「そこでハモるの!?」
こうして頭のおかしいパーティのメンバーが一人増えた。
続く
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