第20話 報告
「ふぁーよく寝ましたってなんだこれ」
なんか、椅子に縛り付けられています。
前にはシオンさんとエイファさん。
あっこれそういうプレイ的な奴ですか?
「あのーシオン、解いてくれるかな?」
二人共黒のオーラを纒っていますが大丈夫ですよね?
「大丈夫よ、ケインのお世話は私達がやってあげるから」
「僕は一人で大丈夫だよ」
これ、絶対ヤバいやつです。
もしかしてこれがメンヘラというやつですか?
聞いたことはありましたがこんなにも怖いなんて…
「私達を蔑ろにするからいけないんだよ!」
「ご、ごめんない」
確かに私が悪いのかもしれませんが流石に理不尽では?
「これから私達だけを見て、私達以外の女子と話さないなら許してあげる」
ここは一先ず約束してこの状況をどうにかしましょう。
「や、約束するよ
もちろん神に誓ってね」
「そうだよね!じゃあ許して上げる」
「じゃあ縄を解いてよ」
これで抜け出せます。
「でも、私達を蔑ろにしたことには変わりないから私達の気が済むまでは拘束するね」
今だけはエイファさんの笑みが怖いです。
困りましたね、クラさんと約束しているのに…クラさんなら時間を止めて助けに来てくれるかもしれませんね。
_________________
夕方
ってこないーーーー、クラさんは何をしてらっしゃるのでしょうか。
まさかクラさんがくるまでずっとここで暮らすはめになるのでしょうか。
コンコンッ
「失礼します、お掃除に参りました」
ってケイン君?何をしてるの?
もしかしてそういうプレイを想像して縛ってたんですか?」
「ご、誤解だ。
これはシオンとエイファが…」
私はそんな変態野郎ではありません。
まあ変態の部類には入ると思いますが…
「ふふふ知ってますよ、少しからかっただけです。」
「悪いけど解いて貰えるかな?」
もう最後の望みです。
「しょうがないなぁいいですよ、でも1つお願いを聞いてもらえますか?」
「僕にできる事なら何でもするよ」
アミさんには日頃からお世話になっていますし、お礼なら何だってします。
「そのー、一緒に魔物討伐に行ってほしくて、私一応冒険者してるんですがソロだと寂しくて、それと怖いので…お願いします」
「そんな事で良いならこんな機会以外でも一緒に行くのに、本当にいいの?」
あの気弱なアミさんが冒険者だなんて驚きです。
「良いんです、私はケイン君の専属メイドですからケイン君の成長を見届けられたらそれでいいんです。
ホントは………いいですけど」
「最後のもう一回いってくれないかな?」
ていうか会わないうちにまた敬語に戻っていますね、これはこれでイタズラしてくる時とのギャップが良いです。
「いや、別に重要な事じゃ無いので気にしないでください」
「わかった、じゃあ僕の空いてる日ならいつでも誘ってよ、今日は教会に行こうと思うから」
1週間に1度という約束でしたからね。
何日経ったか覚えていませんができるだけ約束を守らなければいけませんからね。
納期と同じです。
約束を守らないと信頼を失いますからね。
「わかりました、それじゃあケイン君のスケジュールを確認して誘いますね!」
「うん、今日行けなくてごめんね」
私は誰もいないことを確認して瞬間移動で外に出ました。
もし、見つかったらアミさんに悪いですからね。
それにしても、見ない内に街の雰囲気がガラリと変わりましたね。
行商人の方々が沢山集まっているからでしょうか。
昔から屋台は好きなので教会から帰ったら行ってみましょうかね。
ってやっぱり近いですね、もう着きました。
中へ入るとこの前と同じ優しそうな神父さんがおられました。
「今日は何のご用ですか?ってケケケケイン様じゃないですか、私何かしましたか」
ケイン君が来るのってそんなに凄い事なんでしょうか。
「いえ、何もしてませんよ、ただ拝みに来ただけです」
「そうですか、じゃあこの前の通り部屋に通しますね」
「お願いします、それと一応お伺いさせてもらうんですけど、お名前を聞いても良いですか?」
この人は良い人そうなので友達になりたいですね、こう言っては失礼ですが結構な御老体なので私と話があいそうです。
「もちろんです、私はトーマス・クリスチェンと申します。
あのー私如きの名前など忘れて頂いてもよろしいですよ」
「なぜですか?
一度出会った人を忘れるなんて社会人としてありえないですよ」
次に取引する機会があった場合相手の名前を覚えていたほうが気に入られる傾向にあるのと同じ様に名前を覚えていたほうが良い印象を受けませんからね。
「しゃ、かい人?
どこかの国の人の事ですか?」
「い、いえ、こっちの話なので…わ、忘れてくれますか?」
「良いですよ、私は何も聞きませんでした」
「さあ、着きました。行ってらっしゃいませ」
「うん、ありがとう」
トーマスさんとは今度ゆっくり話したいですね。
「それと、僕に敬語は使わなくていいですよ」
まあ一応歳的には彼の方が上なので私は敬語を使いますけどね。
中に入るとやっぱりアマテラス様の像です。
こあ見るとポセイドン様が可哀想ですね。
そして、目を開けるとやっぱり神域でした。
前にはいつも通りポセイッ違います、見たことがない神様です。
「なんか私間違えました?」
ワンちゃん消されます?
〜いーや、アーシが見えるってのはホントなんだな、アーシはポセイドン様のジジイの言ってた思考神。
特に名前はないけどセブンって呼んでくれ〜
結構派手な服装の方です。
それに一人称がアーシの方とはあった事がありませんね、想像で言うならばヤンキーさんですかね?
そういう人とはどうすれば仲良くできますかね?
「わ、わかりました」
〜海斗、お前忘れてないか?ここが神域だってこと、全部聞こえてっからな〜
「すみません、気をつけます」
〜まあそんな事はどうでもよくてだな、アーシはお前の思考が大好きだ、様々な人間にどう対応するかアーシに思いつかない事ばかりでおもしれぇよ〜
「光栄です。
そんなに私は考えてやっていませんでしたけど…」
〜お、お前マジかよ
ちょっ、ちょっとだけでいいから脳みそくれないか?〜
「それは、ちょっと困ります」
5割ほどは変態だと言う事が知られる事は私のプライドが傷つき、いや、ぶっ壊れます。
〜おい、二度目だぞ?
ここが神域だってことは…わかるよな?〜
「Oh my got
人生終了のお知らせですね、まあもう一回終わってるんですけど!
せっかく慕ってくださったのに…すいません」
〜私は思考に興味があるといったよな?〜
「まっ、まさか…私の変態思考にも興味があるとかですか?」
〜まあ、そんな所だ。
なんせ、お前の変態はただ女を襲う対象と見るんじゃなく、心では『さん』付けまでしてやがる。
相手を敬い、相手を褒める変態だ!
男はみんな獣だと思っていたが、お前は違った、お前の全てがおもしれぇ
よければアーシの眷属にもなんないか?〜
「またですか?もしかして、修業とかしませんよね?
も、もう二度とあの筋トレ地獄を経験したくありません」
〜ああ、あれはちょっとな…クラリス・キウロスだろ?
あいつは、元武神なんだ〜
「じゃあ何故マリータに落ちてしまったのですか?」
〜まあ、ちょっとな色々合ったんだよ。〜
〜まああいつは自分が認めたやつの前にのみ、姿を現す。
まああいつに本当の意味で認められたのは過去でお前一人だ〜
「でも、あと二人いるはずじゃ」
〜いたにはいたがクラリスが笑ったのはお前の前だけだ、過去にも、多分この先ずっとな……〜
〜まあそんな事は良いんだ、アーシの眷属になってくれ、アーシの思考の一部と海斗の思考の一部を交換するだけでできるから頼む!〜
「一応アマテラス様に確認していただけますか?
この前もクラさんの眷属になる時に怒っていらしたので」
〜あ、アマテラス様だと!
アーシあの人そんなに好きじゃねぇ−んだ。
実力は認めてるんだが、あの作ってるようなキャラが気に食わねぇって言うか〜
〜誰が気に入らないって?〜
〜あ、アマテラス様。い、いやこれは違くて…〜
〜僕も気のことは気に入らないけどマスタージャを救うとカイティーが決めた以上どうしても強さが必要になる。
だから君がどうしてもと言うなら眷属にすることを許そう〜
〜カイティー久しぶり、遂にクラリス
の能力を手に入れたみたいだね、あのマスタージャ二人に何か言われたら僕がこの世界壊すからすぐに言ってね〜
「私のせいでもう犠牲がでるのは嫌なので辞めてください、もししたら死んでも恨み続けます」
〜ご、ごめんよーカイティー許して、ねえ僕が悪かったからー〜
〜ハハハッ海斗は思考が面白いだけじゃなく、行動もおもしれぇな。
でもアマテラス様はからかわないほうがいんじゃ…〜
「いや、冗談とか からかいで言ったつもりは無いんですけど、全部本当です」
〜僕は何すれば許してくれる?
僕が死ねばいいの?
ねぇお願いだから嫌わないで!〜
〜マジかよ…〜
「わ、わかりましたからアマテラス様がこの世界を壊さない限りは大丈夫ですから。」
〜よ、良かった。
おい、そこの神!今回はカイティーが 死なない為にも眷属にすることを許す。
僕はもう帰る〜
〜だってさ、許可も貰ったことだし良いよな?〜
「はい、お願いします」
〜じゃあ目を瞑ってリラックスしてくれ〜
〜そしたらアーシと繫がることを意識してくれ〜
〜良し、見えた。
これをこうして、んーよいしょ〜
〜できた!もう目を開けても良いよ〜
「もうできたのですか?」
〜うん、これで海斗の頭の中の深淵を覗けるよ〜
「別に隠していることなんてあまりないとおもうのですがね」
〜いいや、人間は無意識下で必ず思っていることがあるんだ、それはアーシの一部を入れないと見ることができないんだ〜
「なるほどです。
ていうかセブンさんはお仕事に戻らなくていいのですか?
確かポセイドン様が忙しいと仰っていたような…」
〜はっそうだった!
重要な案件の調査をジジイと行くんだった、すまねぇがここでお別れだ。
また話してくれよ〜
「もちろんです」
目を開けるとなんら変わりのない女神像がありました。
「終わりましたか?」
ちょうどトーマスさんが入ってきたので少しお話してから、教会をあとにしました。
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