第18話 モンスター退治➂

「あっあんな所にアルティメットドラゴンいるじゃん」


さっきから強い敵しか見つけていません。

絶対わざとですよね?

「ハァわかりましたよ」

足もだいぶ速くなりました。

昔の自分なら過集中を使っても見えなかったレベルです。



「デッカイですねぇー」

「まあ的がデカいと殺りやすくて楽です」

「マジックアッパー」

アルティメットドラゴンが爆散しました。

このパンチは触れるだけで相手が爆散する筈なので、力をこめなくても問題ありません。

まあ今思いついただけですけど。


「なんだいそれは?

何かの魔法なら重力あげるよ?」


「魔法ではありません。

手に魔力を集約して殴る時に同時に魔力を放出しているんです。

強い魔力を流されたモンスターは魔力量に耐えられなくなって爆散するということです。

クラさんは魔力を使ってはいけないとは言っていませんよね?」

さっきからA級とばかり戦っているのでもう重力が20倍ぐらいになってます。

これ以上はごめんです。


「面白いじゃないか、まさか僕の1億年の研究が一瞬で成功されると、悔しいね。」


それから、大きな九尾や大蛇など、たくさんのA級だというモンスターを倒しました。

「ハァ、ハァやっと着きました。

ちょっと休憩させてください」


「休憩したら重力あげるよ?」


「動きます、動きますから重力だけはやめてください」

重力が高いと肩がこってカッチンコッチンになるのです。


「さあっいくよ!

テレポート」


目を開けると見慣れた景色が広がっていま……せん。

「なんで、こんなに華やかになってるんですか?」


「この前筋トレしただろ?

君を送った後にリフォームしたんだ!

あんな監獄だらけの家なんていやだろ?」


「い、え?

もしかして…クラさん此処に住む気ですか?」

嘘ですよね?じゃあ私が実験とかしに来た時に常に見られてるって事ですか?

非常に嫌です。


「そうだよ!

だって元は此処僕の秘密基地だもん。

まあ過去の私はちょっと病んでたからこんな基地になって……しっしかもモンスターの残り香がするからダンジョン化してたんだろうから、ダンジョン化が起きないようにっていう意味もあって僕の家にしたよ!」


何というか凄いですね、外見はわかりませんが、中はお城みたいです。

まあイメージ象なんですけどね。

「まあそれはそうとして…儀式はどこでやるんですか?」


「君の部屋があるからそこでやろうかなって…もしもの事があっても他人の部屋なら被害がでないだろ?」


「クズですね」

顔とスタイルは良いのに、性格が残念ですね。


「クズ?自己紹介かな?

二股するとか女たらしでしょ。」


「くっ」

この人には一生かけても勝てる気がしません。

私の部屋だと言う所に行くとテレポーターとは違う紋章が刻まれています。


「取り敢えずその紋章の上に立ってくれるかい?」


「こうですか?」


「そうなんだけど、あと一度位左に傾いてくれる?」


一度のズレを直す意味とは?


「あースッキリした、すんごい気になったんだよね。

私は姿勢に関しては誰よりも綺麗な自信があるからね」


なんか必要な事だと思ったのですが、彼の自己満のために動くと嫌われますよ?


「じゃあそこで100時間立っててね!

その間に僕は一人チェスしてくるからさ」


「わかりました…って嘘ですよね?」

これから約4日このままだと思うと気が狂いそうです。


「僕の数億年を一瞬でできるようになるし、言いまかされたしでムカついてるんだよねー」


「自己中の極みですか?」

この人はやっぱり勝手ですね。


「じゃ、閉じ込めるからその紋章から出ないでねぇー」


「クラさんの事ですから何かあると信じますからね!」

100時間たえても何もなかったらショック死しそうです。


「ルームプリズン」

私の付近を青い半透明な壁が覆っていきます。


「ああ、心配しないでね!

ご飯は3食出すつもりだから…じゃあね!」


「あっ、ちょっ」

クラさん絶対に今無視しましたよね?

100時間が終わったら文句を言ってやります。

時計はあるので何日経っているかはわかります。

孤独は慣れていますが、最近は人との関わりが多かったので耐えられるでしょうか。

まあ取り敢えず疲れた体を休めましょうか、今が2時なので食事の時間の7時頃に起きましょうか。

私は元社畜なので仮眠の時間のコントロールはできます。

そう思ったら社畜って最強なのでは?

そろそろ寝ないとケイン君の体に支障がでそうですね。

「おやすみなさい、シオンさん、エイファさん」





_________________

ドンドンドン、ドンドンドン

「おーい、起きろーご飯だぞ!」


「うーん、もう7時ですか?」

社畜スキルが落ちていますね。

別にまた上げるつもりは無いんですが…


「いや、もう朝の7時だ」


えっ?

時計を見ると丁度朝の7時を指していました。

「何故昨日の夜起こさなかったんですか?」


「は?何を言っているんだい?

私は何度も起こしたじゃないか」


「そ、そんな馬鹿な!

こんなにも社畜レベルが下ってるとショックです。」


「しゃ、ちく?」


「いえ、こちらの話です。」

別に話しても良いのですが、クラさんに話したらからかわれそうです。


「今日の朝ごはんは、パンだ!

どうだ?嬉しいか?」


「パンってそんなに高級なんですか?」

それなら毎日作業的に食べてた100円の食パンも高級ということになりますが。


「高級なんてもんじゃない!

10年に一度食べられるか食べられないか位高級だよ!

要らないなら私が食べるよ」


「それは良いですけど…パンって作れますよね?」

私も20代と頃に料理教室に行って作ったことがありました。


「う、嘘だよね?

作れるならどんな材料でも用意しようじゃないか」


「小麦ってありますか?」


「あの毒草か、そこら辺に生えてるよ

取ってくるよ」

「ただいま、これでいいかい?」


クラさんの速さは目が良くなった私でも見えません。

「そうです、じゃあそれを先ずすり潰して下さい」


「こうかい?」


「す、凄い、小麦粉と変わらない細さです。

じゃあ、次は水を加えてこねてください。」

手の残像が見える気がするのですが…


「こうだな!」


「OKです。

じゃあ最後に形を整えたら高温で焼いてください。

そうしたら完成です。」

たしか、イースト菌とかいうのを入れてこねなければいけなかった気がしますが…まあ大丈夫でしょう。


「で、できた!

パンそのものだな!」


「よろこんで頂けたら嬉しいです」


「見直したよ!他に何か知ってることはあるのか?」


「あいにく、私は料理人では無かったのでわかりません」

見直したって、まあクラさんからしたら私なんて何でもないですもんね


「なるほどな、今は気分が良いからもう出してあげても良いよ?」


「少し確認したいのですが、4日が一番能力を引き出すのに最適だったりしますか?」


「さあ?どうかな?」


「じゃあ4日経つまで待ちます」

念のためです。


「それで良い、じゃああと3日頑張れよ!

私はパン作りをしなければならないからあと3日は自分で頑張れよー

あっご飯は出てくるようにしとくから大丈夫だよ

じゃあね」


「ほんとに、自己中ですね……」


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