第16話 モンスター退治➀

ドンドンドン!


なんの音でしょうか。

窓の方からです。

ってキウロスさんじゃないですか!


「昨日はよく眠れたかい?」


「昨日って、まだ日も昇ってないけど」

やっぱり追い返せば良かったです。


「君は何を言っている、君が魔法学校に入学するまでに器となる体を完成させないと意味がない」


「わかった」

にしても、今何時でしょうか、社畜のおかげか眠くはありませんが、精神的にキツイです。


「それじゃあ準備してくれるかな?」

「そういえば君が昨日の夜、初級魔法の練習をしていたけど、もっと小さく濃縮しないと、マスタージャにはかすり傷すら与えられないぞ。

それと、あんなに大きな魔法と魔力量だったから、あの後王都の騎士が街中を騒がしく走っていたよ」


私が着替えている間に話してくれています。

「何故 初級魔法でそんな問題になるんですか?」魔法


「あの初級魔法はこの世界の最上位魔法だからだ」


「えっ?は?」

そんな訳ないですよね?


「正直君の魔力量については驚いたよ、あれだけの魔力を使ってピンピンだとは想像以上だ!

君は気づいて無いかもしれないけど君の魔力はこの世界で一番多いといっても過言ではない、魔力量だけでいうならば、精霊族と同じ位の魔力量だ」


私ってもう人間じゃないんでしょうか。

「準備できました。」

何か難しい顔をされています。

「どうされたのですか?」


「そこの金髪の女の子、その魔神結界が壊れて暴走しようとしている、ケイン君彼女にキスしてくれるかい?」


「シオンにキス、いやいやいやそれはもう何というか駄目なんじゃないですか」

本当はめっちゃしたいです。


「昨夜はあんなに激しくしていたのにかい?

まあバラされたくなかったら早くキスするんだ」


「まあ確かにってなんで知ってるの!

まあそこまで言うなら良いけど」

もしここにブラックリストがあったら書いておきたいです。


「なるべく唇に魔力を集めて彼女に流すんだ。

君の魔力は神の魔力と同じ、魔神の魔力を中和できる。」


「わかった」ちゅっ

結構込めましたがどうでしょうか


「もっと昨日みたいに激しくするんだ、今のだと魔力が分散してしまう。

内側から流し込むんだ」


「わかったよ」

失礼します、シオンさん。

キウロスさんに聞こえないように無音ベロチューをすると、シオンさんの顔色が良くなりました。


「それを毎日続けてくれ、じゃなきゃ暴走する。

それじゃあ出発しようか。

まずは昨日できなかったモンスター狩りからいこうか」


モンスターですか、取り敢えずは魔法でどうにかしましょうかね。


「あっそれと、魔法は禁止ね」


しっかり釘をさされましたね。

じゃあどうやって勝てば…まあ柔道やってましたしなんとかなる?でしょう。


「じゃあ森まで全力ダッシュね」


おいおいおいおい!

「流石にこれからの練習を考えると…ってもういないし」

彼がそう言うならばそうしないといけないような気がしてくるのは何故でしょうか。






「ハァ、ハァ、ハァ来たよ」

2キロは走りましたね。


「よし、じゃあ次はモンスター狩りだね、この森にはD〜Aランクのモンスターがいるから気をつけてね、さっきも言ったけど魔法は使ってはいけないよ、その代わりに攻撃じゃないならギフトの使用を許可するよ。

もし、使った場合は私が時間を止めて巻き戻す。

最後にモンスターを見つけ次第殲滅すること、いいね?

これは僕が見つけても一緒だからね!」


「キウロスさんは鬼か何かか?」

昨日筋トレしたくらいで勝てる相手で無いのは分かっています。

取り敢えず敵を見つけてしまったら、過集中を使って相手の動きを観察しましょう。

というか、スキル全然発現しませんね。


「愛情の鞭ってやつさ」


鞭打ちすぎでしょう。


「おっと最初の敵はっけーん

あっ、良い忘れてたけど僕に攻撃が当たる度に君の周りの重力を上げるよ」


なんて、厄介な師匠なんでしょうね、一番の敵はキウロスさんかもしれませんね。

「ゴブリンか」

「物質変動 THIRDダウン」

「解除」

これで、ゴブリンさんは動けません。

私は安全性をとって石を見つけて、投げました。

「えっ?なんで、こんな簡単に殺せるだ?」


「気づいてなかったのかい。

君には『肉体成長10』が付いているから昨日の筋トレだけでも常人が一生かけて手に入れる筋肉量を手にしたのさ。

何故、君がこの世界の最上位魔法を打ってボロボロになってないと思う?

君が昨日筋トレしたからだ」


あれ?私が願った『普通の生活』から外れてるチート能力ありますけど?

絶対最初から暗殺させようとしてましたよね?

でも、もし能力が無かったら死んでましたね。

「もちろん、それも計算内であの本を僕に授けたんだよね?」


「いや、今気づいただけだよ。

この前の弟子はボロ雑巾みたいになってて笑えたなぁ」


こいつ、人の命をなんだと思ってるんでしょうね。

まあ自分の命を大切にしていなかった私が言うのもなんですが。


「囲まれちゃったかー、じゃ宜しくね」


えっ?はっ?囲まれたって何ですか?

さっきから警戒していた筈なので周りにモンスターはいないはずです。

「嘘つけ」

あれ?なんか音がしたような…


ガサガサッ


なんでしょうかゴブリンさんでは無い、少し大きいゴブリンさんです、それもいっぱい。

というか絶対キウロスさんが、集まるように話して居ましたよね?

「物質変動 THIRDダウン」

「解除」

これで大丈夫です。

あとは、取り敢えずどんなモンスターか分からないので近接戦をして特徴を確認しましょう。

「ふんっ」

拳を突き出して殴ると彼の頭が吹き飛びました。

弾けたという方が正しい表現でしょうか。

拳の風圧で他のモンスターも死んでいます。


「お見事だよケイン君。

でも、もう一つ条件を付け加えようか、見てくれ君が殴った方向がさら地と化してしまっている。

だから力加減を考えて殴ってくれ。」


「鬼畜だな」


「うん、頑張ってね!」


ふざけんじゃねえーーーです。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る