第13話 神様はおこです

家に帰ると部屋は電気がついておらず真っ暗でした。

「ただいま帰りましたー

みんなどこにいるの?」

声がしませんね、まさかモンスターに襲われたとか……それなら助けないと!

こうしちゃいられません

そう走り出した瞬間、いきなり明るくなり、


「「「「「誕生日おめでとう!」」」」」


クラッカーのようなものが私に巻き付きました。

今日はケイン君の誕生日だったのですね。

それで飾り付けを…家の許嫁と家族良い人すぎん?

だめですね、常に敬語を使ってできる大人をしないと舐められます。

しかし、人に祝われるなんて何年ぶりでしょうか…だめです、こんなに優しくされたら涙が出てしまいます。


「わわわわやっぱり言ったじゃないですか、ケイン君大丈夫ですか」


そういってアミさんは頭を撫でいます。

アミさん変わりましたね。


「お帰りなさい、ケイン」


シオンさんはいつも通り?ではありませんね。

メイド服です。


「ケイン君寂しかったよー」

そう言って抱きついてきたのはエイファさんでした。ッウプ

エイファさんのお胸頂きました。

こちらもシオンさん同様にメイド服です。


「ちょっと新参者!距離が近いわよ」


シオンさんのマジ顔が怖いです。

これには観念したのかエイファさんがおずおずと離れていきます。

シオンさん、このくらい許してくれても良いではないですか?

べべべ別にエイファさんのがお母様よりもデカかったから味わいたい訳じゃないし?


「お姉ちゃんもいるよ」

そう言ってエイファさんの後ろから顔を出したお姉様はバニーガールです。

私は夢を見ているのでしょうか。

こんな可愛い女の子達に囲まれることなんてありませんからね。


「あれ?お母様とお父様は?」


「お父様いや、ジジイはお姉ちゃんとお母様の着替えを覗いたから罰として鞭打ち100回を受けている頃だよ。

お姉ちゃん、ケイン君に見られたかったなー」


良いのですか?

マジですか?

ホントに?

そんな事言われたら実の姉でもあんな事やこんな事をしちゃいますよ?


「ケイン!なにニヤついてんのよ

お姉様のを見るならせめて許嫁の私にしときなさい

法に引っかかっても知らないわよ

でも私ならグレーゾーンよ」


なんか凄い事言ってらっしゃる気がするのですが…これは合法ですか?

捕まらないなら私は獣に化けますが良いのでしょうか?

でも…グレーゾーンということは訴えられたら終わります、やめときましょう。


「それなら夜を共にしたこのエイファちゃんならホワイトゾーンですよ

一回罪を犯したのなら何度やっても同じだからね!」


たしかに…って駄目です。

この愛は元のケイン君に向けたもの、本来私が享受していいものではありません。

というかその誤解を生むような言い回しやめてもらえます?


「「「「「ええーーーー」」」」」

その場にいる全員が一斉に声を上げました。


「そ、そそそそれはどういう意味よ、王女命令で答えなさい!」


「そのままの意味ですが?

激しい戦いの後に一緒に寝ました。」


だから誤解を生むような発言は…って反応を見て楽しんでおられます。

今度、教育する必要がありそうですね。


「は激しい激しい激しい………」


シオンさんの顔がどんどん赤くなっていきます。


「激しいハッ…」ドサッ


「大丈夫!アミさん今すぐ医務室に連れて行って!」


シオンさんが倒れてしまいました。

前世で私も仕事で分からなすぎて倒れたことがありました。

これは私の見解ですが、自分が考えられる事を超えるとキャパオーバーして脳が考えることを停止するのだと思います。



その後帰って来たシオンさんを交え誕生日会が行われました。

その頃には全身真っ赤のお父様とお母様も帰ってきていてホッとしました。

お母様はそれはそれはエロエロのチャイナ服でした。

しかし、お母様はすぐにお酒に飲まれて眠ってしまいました。

可愛いです。

しっかりシオンさんに睨まれましたが…

しかしあの服と美貌でムチを打たれては性癖が曲がりそうです。


「ケイン君お口あけて、あーん」

「口開けなさい、あーん」

「あっズルいお姉ちゃんだって、あーん」


そして、今三人からあーんを迫られている訳です。

そして、勿論私が選ぶのは…


「アミさん、僕に食べさせてくれますか?」


これが皆が睨み合わずに済む方法です。


「いや、でも…」


「やってくれるよね?」


私は面倒くさいお客様にする笑顔をしました。

アミさんには悪いですが、しょうがないことです。

今度なにかお礼をしましょうか。


「ヒィわ、分かりました。」


そんなこんなで食事を終えました。

そう言えば一緒に帰ってきたキウロスさんはどこに行ってしまったのでしょう。


「お父様、キウロスさんはどこに行ってしまったのですか?」


「ケイン君、お父様じゃなくてジジイでいいんだよ」


これからお姉様だけは怒らせないようにしないと悪ければ社会的に死にます。


「うぅ、酷い」


「カイルさん、キモいです。」


シオンさん辛辣!

横でエイファさんが頷いておられます。

「真面目に答えて下さい」

社会人ならお酒が入っているとはいえメリハリぐらいしっかりしてほしいです。


「わかった。

ケインよ本当にキウロスが見えたのか?

あの護衛の話は冗談のつもりだったんだが…」


見えた?何を言っているのでしょうか。

「もちろんです」


「本当か!

キウロスはなんと言っていた」


「自分で聞けばいいじゃないですか」


「常人には見えないんだ

見えても宮廷魔法師の一部の人間だけだ」


は?

どゆこと?

私、普通の生活を望みましたよね?

なんか特別効果的なもの入ってるんですが…


「あんたキウロス様にあったの?」


「シオン、知ってるの?」

そんなに有名なのでしょうか?


「知ってるも何も常識じゃない、今この王都に見えるものは居ないわ」


それって凄くヤバいんじゃ…解剖とかされないでしょうか。

「結局キウロスさんはなんなの?」


「あっそれエイファも知ってる、幽霊とか妖怪でしょ」


「見たものは王都の書に名が記されるわ

まあ今載っている人は二人程だけどね

直近で言っても1000年前よ

あんたが本当に見えると言うならあなたは国宝になるわ」


こ、国宝?

国に管理されるのは私の望みから外れている気がします。

「シオン、お願いだ。報告しないでくれ」

今舌なめずりした気がするのですが…


「私のお願いを聞いてくれたら報告しないであげるわ」


い、嫌な予感が…


「後で私とキスしなさい」


サイコーですか?

顔を赤らめているところも可愛いです。

でも中身はおじさん、いやもうおじいさんですからこの後に何を言われる事か…

「わかった」

Oh my godです。

やっぱり欲には勝てません。

でもキウロスさんが幽霊なら報告される心配はなさそうですね。

彼は隠しているつもりだったでしょうが、強烈な社畜臭がしたのは気のせいではありません。


「ほら、もう良い時間よお風呂に入ってきなさい、シオンちゃんとエイファちゃんは泊まってく?」


お母様がいつのまにか起きていました。


「私は泊まっていくけどなぁ」


「わ、私も!」


「お母様、お姉ちゃん二人とお風呂に入ってきてもいい?」


「ケインちゃんを連れ込まないと約束するならいいわよ、ケインちゃんは私と入るんだから」


ちょいちょいちょい良くないですよ?

私、気絶して死ぬかもです。


それから私はお父様とお風呂に入りました。

「フゥ~気持ちよかったです。」


「あっ、こんなところにいた。

さっきの約束覚えてるでしょうね」


「可愛い」

またやってしまいましたね。

心の声が漏れてしまいました。


「あ、あたりまえよ。

は、早くキスしなさい」


目を瞑っておられます。

これはしていいんでしょうか。

やっちゃいますよ?

いきますよ

唇がシオンさんのほっぺたにつくギリギリのところで突然動けなくなりました。

どうゆうことでしょうか、しっかりとした意識はあるのですが…


〜僕に秘密でキスしようとするとか許さない、そのキスしようとしてた小娘殺してやろうか〜


「この声はアマテラス様ですね!

って辞めてください私の大切な人なんです。」


〜カイティーがそういうなら許してあげてもいいけど…これからは僕に聞いてからするんだよ!〜


「でも、アマテラス様がこんな事のためだけに下界に降りてくるなんて事はないですよね。

私にどんな要件でしょうか」


〜えっ?このためだけに降りてきたんだよ?

こんな事じゃなくて君は僕の眷族 兼 恋人だからね?〜


「眷族とはなんですか?

それと、恋人になったつもりはないんですけど…」


〜は?

僕じゃ駄目なの?〜


「い、いえそんなことは…」


〜そうだよね!僕も下界に降りて君の許嫁になろうかな〜


「それは駄目です。

シオンさんは分かりませんが、エイファさんは護衛という仕事があり私はこの女性を女性にしてあげたかった。

それも考えて許嫁を許しました。

ですがアマテラス様という立場がありながら私と許嫁など他の神様に舐められますよ?」


〜大丈夫!何か言われたら僕の力で消し去るから〜

〜あと、眷属っていうのは僕の体の一部分を取り込んでいる人間かな?〜


「それってどこなんですか?」


〜目だけど?〜


「じゃあ幽霊と呼ばれてるキウロスさんが見えたのは…」


〜そ!僕の目のごく一部だからそのくらいの力しかないけどね〜

〜なに?いやなの?〜


「いやー別にそういう訳じゃ…」


〜それなら良かった

君は控えめな物が良さそうだったから僕の中で一番弱いところを取り込んでもらったつもりなんだけどな〜


「ポセイドン様からも聞きましたが、シオンさんとエイファさんは魔神の一部を取り込んでいるわけですね?」


〜それはそうなんだけど、あのカイティーの引っ付き虫達は心の一部を取り込んでいるから彼女達の中の魔神を消え去る位の強い思いをさせないといけない〜


「それは彼女達が私に恋する恋の強さでは足りないのですか?

そうとう強いものだと思うのですが…」


〜元々彼女達は何か強い感情を抱えていたんだ、あのエイファという小娘は 本当の自分を取り戻して魔神の心が消えてきているが…シオンはそうとうな闇を抱えている。

それをどうにかできるのはカイティー、君しかいない。

誰よりも強い苦痛に耐えてきた、どん底の人間の気持ちが分かる人間だ。

まあ僕はそこに惚れたんだけどねぇ〜


「私はあの娘達を助けられるなら何だってします。」


〜あの小娘やっぱり殺そうかな?

カイティーの優しさを受けすぎだよ。

でも僕たち神は直接的な障害の干渉はできない…だから君に頼んだんだ!〜


「ホッとしました」


〜もし、干渉できるなら殺してるよ〜


「本当に殺りそうで怖いです。」


〜カイティーなら拒否してくれるかもしれないけど、一応時間を戻すからキスしないように立ち回ってね!

じゃね!〜


それから私はアマテラス様に言われないように立ち回り何とか二度目のお叱りを受けずに済みました。

しかし、シオンさんが闇を抱えているなんて思ってもいませんでした。

あっ、そういえば神域だと思って包み隠さず話していましたが、ここ神域じゃなかったですね。

まあ私はいつ誰に心を覗かれても困らないような生き方をしている?い、一部は除きますがちゃんとしているので、大丈夫です。

魔神の心を取り込んでいるのだとしたら、私の物質変動は使えないはずです。

でも、いつ何が起こるか分かりませんから訓練は必要です。

明日はキウロスさんを誘って、あの監獄に行きましょうか。
















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