第6話 進化?
それから私の世話係だと言うアミさんに勧められお風呂に入る事にしました。
当然のようにお母様とお姉様は一緒に入ろうとしてきましたが、勿論断りました。
こんなあんな凶悪な物を見せられたら私の理性が壊れて獣と化してしまいますからね。
『というか、お風呂デカすぎません?私が住んでたボロアパートの部屋よりもデカイです。
お父様は何の仕事をしていらっしゃる方なんでしょうか。』
いち早く湯船にダイブしたいですが、体を洗ってから入らなければお湯が汚れてしまいます。
早く洗ってしまいましょう。
「えっええーーーー!」
鏡に映るのは見たこともないようなイケメン。
「どうかされましたか?」
外から心配そうな声色が聞こえてきます。
「なんでもないよ」
『ポセイドン様?
私は普通を望んだんですが…』
そうして、洗い終えた私は湯船に入りお風呂を出ました。
「ケイン様、湯加減は如何でしたか?」
「なんかごめんね、僕のためにここまで用意してもらっちゃって」
「ケイン様が私に感謝を…そんな。
ケイン様、体調が優れないようでしたら、直ぐにシオン様のお部屋にお運び致しますよ。」
「いや、やってもらって感謝をするのは当然でしょ?」
「 失礼しました。
ケイン様はいつもメイドの事を良く思われてないようでしたので」
「そんなことよりも、旦那様がお部屋でお待ちです。」
『ケイン君はやっぱり、酷い子でしたね。
謝ったこと撤回させて下さい』
「僕の前では敬語じゃなくても良いよ?」
「そんな恐れ多い、私如きがケイン様を呼び捨てにするなど」
「じゃあ命令ね。」
「かしこまりました。」
「そんなに硬くならなくてもいいつて」
そんな感じでお父様の部屋まで案内してもらいました。
「お父様入っても宜しいでしょうか?」
「良いぞ」
「失礼します。
僕に何か用でしょうか。」
「おい、アミ。
ケインを寝かせてくれ。
気が狂っておる。」
「いえ、私は気など狂っていません」
「いや、いつもならそんな丁寧な口調で話さんだろう」
「家出をしていた時に礼儀や感謝の大切さを理解したのです。」
『ケイン君はこれまで、お父様の事をどんな風に扱っていたのでしょう?』
「まあ良い、もうケインも12だ。
姉のアリスと同じ魔法学校に入学しても良いのではないか?」
「魔法学校とは何ですか?」
「その名の通り魔法を習う学校だ、
ケインの社会勉強のためでもあるのだ。」
「しかも、ケインと同じ時期に王様の娘のシオン様も入学されるようだからな」
『今王様の娘とか聞こえたような…』
「ということは、シオンは王女だったの?」
「そんな事とっくの昔から知っているだろう。
それよりも、学校に行くのかだ。」
『学校ですか、前世では全く青春をしてこなかったですからね。
シオンさんもいるなら問題無いですかね』
「分かりました。
通わさせていただきます。」
「学校は13歳になってからだからもうすぐだ。
そうか、ではアミよ手続きをしておいてくれるか?」
「かしこまりました。」
「それではお父様、私はこれで失礼シマ」ギュルルルルルルルル
『オオーマイガー、恥ずかしいですね。』
「お腹が空いておるようだな、そういえばそんな時間か、アミよすまぬが料理長に食事の準備を頼んできてくれるか」
それからお父様に連れられ、家族全員食卓につきました。
出てきたのはハンバーグ?ですかね。
食べてみましょうか。
「ケイン君どうしたの?
泣きながら笑ってるわ」
「ケインちゃんが可笑しくなったわ。
直ぐに治療を。」
「いえ、違うんです。
美味しすぎて嬉し涙が…」ッグス
こんな美味しい食事をしたのはいつぶりでしょう。
「もっと美味しくするために、お姉ちゃんが、あーんしてあげようか?」
「それは遠慮させていただきます。」
あーん、なんてされたら可愛すぎて気絶する自信があります。
「もう、ケイン君酷い」
そういえば何か忘れていることがあるような…
『そうです、教会でポセイドン様に文句を言わなければ!』
食事を終えると私はアミさんだけに言って夜中に教会に行きました。
アミさんが、一応と言って上級ポーションを持たせてくれました。
「流石にこんな時間に空いてませんか。」
そう教会の前で落ち込んでると後ろに人の気配がしました。
「何のようですか?」
「よく気づきましたね。
それにしてもこんな所に大臣のご子息が何の用ですか。
私は君に用があってきましたがね。
俺におとなしく死んでくれませんか?
そうすれば私は大金が手に入る。
君が我慢すれば私は幸せになれるのです。」
体は細く、全身を黒い服で覆っています。
「お前は誰だ!」
夜道を歩くのは失敗でしたね。
逃げてもこの体じゃすぐに追いつかれます。
ここは戦うしかありませんね。
「答えると思っているのですか。
おとなしく死んで下さい。」
私は彼が突き出してきた腕を掴み背負投げをかましました。
前世、護身用に柔道を習っておいて良かったです。
「少々面倒ですね。」
彼は硬いカードを取り出しました。
彼が手を振ると私の体に多数の傷が入りました。ウグッ
「これはほんの挨拶です。
まあ次はありませんがね。」
「状態変化 ダウン」
地面が土で良かったです。
足が沈みました。
「解除」
これで、離れればあのカードを避けることができるでしょう。
それと、「物質変化」
相手が身動きを取れないうちに近くにあった木の枝を鉄にしました。
ここで投げても、とられるのは間違い無いでしょう。
防衛用に使うしかありませんね。
「こんな攻撃で私を止められると思ってるのでしょうか?
甘いですね甘すぎます。」
彼が手を降ったように見えたのは気のせいでしょうか
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン
何の音でしょう
周りを見渡すと後ろにはブーメラン。
間一髪でよけれました。
『私は過集中を使っていたはず、それでも見えないとは彼は相当の実力者ですね。』
「あっぶな」
気づいたら彼は姿を消していた。
「良く避けましたね」
「私はあなたみたいに裕福でもなく、ギフトもありませんでした。
だから体を極限まで鍛えました。
今じゃ『死神』なんて言う異名まで付いて、殺しの仕事に関しては困らなくなりました。
私は貴方を殺したいわけではないのですが、急にお金が必要になりまして。」
声だけが聞こえます。
私の力では勝てないように感じますが、もし私が捕まったら、あんなに優しい家族に迷惑がかかります。
それだけは私が私のことを許せなくなります。
「さて、お喋りはここまでにしてそろそろ再開しましょうか」
『マズイです。
ここまで時間をかけても彼は勝てる算段なのでしょう。
ということは次は確実に殺しにくるでしょう。
近距離での戦闘は確実に殺されます。
それならワンチャンを狙って土のTHIRDを使うしかありませんね。』
「土 下部変化」
『しかし、凄い魔力の量を消費します。』
「物質変化 THIRDダウン」
『泥水のようですが、動けば動くほど沈みが早くなるような物質になりました。』
「では行きますよ。」
前からはカード、これなら避けられます。
でも、避けた先にもカードが横からはブーメラン。
『万事休すです。』
〜ここで、死なれちゃ困る、今回だけは助けてやる〜
誰の声でしょうか。
私は何もしていないのに土が鉄に変わり、私の体を包み込みました。
でも気力が溢れてきます。
「なっ何故だ何故死なない。
今のは避けようがなかったはず。」
_________________
ギフト、物質変化が物質変動に進化しました。
物質変動
変化させた物質を操れるようになる。
ただし、一度に1つの物質しか操れない。
_________________
『久しぶりにこの感情の籠もってない声を聞きましたね。
ていうか進化ってなんですか?
今度ポセイドン様に教えてもらいましょうか。』
_________________次の投稿は7月5日 0時00分を予定しています。
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