第3話

〜〜〜3年後〜〜〜

あれから3年がたった今、一は病院で沢山の管を付けられ、とても退院なんて言える状況ではなかった。


「わたる、ごめんね。こんな彼女で。」

「気にしないでくれ。僕もごめん。何も出来なくて。」


ここ最近一は情緒が安定せず、急に泣き出したりして既にやつれていた。

彼女も僕も、謝ってばかりだった。


そんなある日、いつものようにお見舞いに行くと。


「帰って……」

「な、なんで?また落ち着かないのか?そばに居るよ、大丈夫。」

「違う、違うの……私思っちゃったの。渡君がずっとお見舞いに来てくれたりするのは、渡君が優しいだけじゃなくて、私が縛り付けてたんだって……だから…ごめん。もう、来なくていいよ………」

「なんだよそれ。僕はここに来たくて来てるんだ。縛り付けられてなんかない。僕は一のことが好きだからここに来てるんだ!!」

「……もう、いいよ…渡君はこんな私じゃなくてもう次の恋に進まなきゃ………ねぇ、私たち、別れよっか?」


彼女の頬には涙が伝っていた。


「……一は疲れてるんだよ。今日はもう帰るから。考え直してくれ…」

「………」


沈黙の雰囲気に耐えきれず僕は逃げるように病室から飛び出した。

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