第57話 止まるんじゃないわよ
カイル達一行は、警備兵が昏睡しているうちに球場を出ることにした。
彼らが目を覚ましたら、事情聴取が始まるに決まっている。モニカに至っては、重要参考人として身柄を拘束されるかもしれない。
……その前に勝負をつけなければ。
カイルは失神しているモニカ――人間の方のモニカを肩に背負って、道を進む。後ろからは女子硬球部の面々と、レオナ達も付いてくる。
向かう先は、学院付近のホテルだ。
そこはリリーエの生徒が泊まっている宿でもある。
「見えてきたな」
大理石で作られた、壮麗な建物が視界に入ってくる。お嬢様学院の生徒に手配されただけあって、外観はほぼ宮殿と言っていい仕上がりだ。
「おかえりなさいませ、リリーエの皆さま。……あら?」
フロントの受付嬢が怪訝そうな顔をしているが、無理もない。
なんたって客が帰って来たと思ったら男連れになっているし、キャプテンのモニカは二人に増えているのだ。
あげくカイルの背後ではどう見ても幼女なロゼッタが「カイルの、早く、入れてほしい……」と発情しているしで、これはなんの団体なのかと目を疑うような光景となっている。
「そう。私、疲れてるのね。これは夢なのね……」
受付のお姉さんが眉間を抑えた隙を付いて、カイルはズカズカと廊下を進んで行く。
モニカ達は三つの部屋を借りて、三人一部屋で宿泊しているらしい。201号室、202号室、203号室と、二回の三部屋を借り切っているようだ。
「ふむ」
カイルはためらうことなく201号室のドアを開けると、そこに全員を詰め込むことにした。
カイルを含んで総勢十四名もの人間が、みちみちと密閉空間に閉じ込められる。
上流階級向けのホテルゆえそれなりに広い部屋ではあるのだが、さすがにこの人数だと狭苦しく感じる。
ベッドも大きいようだが――女子九名を寝かせるスペースはあるだろうか?
まあ、やってみるしかない。
カイルは女子硬球部の九人をベッドに並べさせ、四つん這いになってもらった。挑発的に突き上げた尻が、ぷりんとこちらに向けられる。
「……」
何か危ういものを感じなくもないが、さっそくレオナの機嫌が曲がり始めている気がしないでもないが、これには理由がある。
女性の体で最も魔力が集まる箇所は、子宮とされているのだ。そしてその次が心臓だ。
自爆機能ともなれば相当の魔力を消費するはずだから、そのどちらかに仕掛けられている可能性が高い。
つまり、股間をまさぐりながら左胸も調べる必要があるため、わんわんスタイルを取ってもらうのが効率的なのだ。
これはあくまで、彼女を助けるための行為。
下心など一切ない、道徳とモラルに満ちた健全な行いだと断言できる。
「あっちのモニカはまだ目を覚まさないのか?」
「ええ」
とレオナは答える。
自爆機能について一番詳しそうな人間が気絶したままな以上、やはりカイル自らの手で調べるしかない。
となると……。
「お前らのアレに指を入れて、子宮付近の魔力を探ろうと思う」
その言葉を発した瞬間、九名のゴーレム少女はビクンと尻を震わせた。
当然の反応である。
「で、ですがカイル様。その……ここに指を入れるとなると……えっと……破けてしまうと思うのですが……!? わ、私達は皆、男性経験がありませんし……」
「全員処女なのか?」
はい、と恥ずかしそうな声で返事がくる。
「破瓜が指、というのはさすがに気の毒だな。わかった」
カイルはチャックを下ろしながら言う。
「なら先に、こいつで処女を奪っておこう。初体験を済ませてから中をじっくりと探ればいい」
「あ、あう……」
うわずった声で腰を揺らすモニカは、明らかに上気している。顔は見えないが、太腿が真っ赤に染まっているため興奮しているのだとわかる。
イルザもミリアもメイも……他の五人の少女も、やはり同様の反応が見られた。
「そういうわけだ。レオナには悪いが、今から俺はこいつらを抱く」
「なに言ってんのよ!?」
ありえないでしょう!? と腕を振り回すレオナに、カイルは詰め寄る。
「他に方法があるのか? こいつらはいつ遠隔操作で自爆させられるかわからないんだぞ? 一刻も早く解除してやるべきだと思うが」
「で、でも……目の前で彼氏が九人もの女の子と浮気するのを見せられるのよ!? 前代未聞の寝取られじゃない!?」
「……だったらお前も混ざればいい」
「はあ!?」
カイルは、レオナが普段ノリノリでアイリスやロゼッタと共に抱かれているのを知っている。さらにロゼッタのことは、前世の頃から抱き枕にしていたのだ。レオナは男女両方に対して面食いというか……つまり、全く
「レオナも好きだろ? 美少女」
「何言ってるのよ……」
カイルは、レオナをベッドの脇に座らせると、モニカ達と同じように四つん這いにさせた。アイリスとロゼッタも我慢できなくなったのか、自主的に列に加わった。
合計十二人の美少女が、横一列に並んで尻をこちらに向けるという、退廃的な光景の完成である。
「やるか」
うむと頷くと、カイルは無言で全員のスカートをまくり上げ、下着を下ろした。
バストに負けず劣らず、ボリュームのあるヒップの持ち主、モニカ。
凛々しい風貌とは裏腹に、不安げに震えているイルザ。
「男の方も悪くないですわね……」と何かに目覚めたらしいミリア。
もじもじと腰を揺らして、今か今かと待ちわびているメイ。
色白なキャロライン。
甘い声のマリア。
綺麗な髪のガブリエラ。
お喋りなオリビア。
「止まるんじゃないわよ……」と積極的なオルガ。
列の左から右に向かって、順番に抱いていく。
合計九枚もの処女膜を三振に切って取る、堂々たる振る舞いであった。
ついでにレオナとアイリスとロゼッタも抱くと、いよいよ自爆機能の解除作業に入る。
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