第38話 百貨店で……

 こちらもかなり昔のお話しです。


 新宿に今でもあるとある百貨店の寝具売り場でのこと。


 私が目的の商品をみつけレジに行くと何処からか歌声が聞こえてきました。


 驚いてその声の方を見ると20代後半のオタクっぽい恰好をした男性が物凄く大きな声で当時流行っていた歌を歌っていました。ですがお世辞にも上手いとは言えません。


 あまりに堂々と歌っているので私はあっけにとられて見ていました。


 レジには若い女性店員さんが二人いたのですが一人は下を向いて声を出さずに笑い、もう一人は見た目には平然としていました。


 私は商品をレジのカウンターに置きながら女性店員さんに


「有線かと思いましたよ」とにっこりして言うと


 ブハーーーーー


 平然としていた女性店員さんが盛大に吹き出しました。


 

 おわり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る