第33話 美化語
こちらにいらっしゃる方には釈迦に説法だと思われますが
美化語とは、お花、お布団、お部屋などなど、「お」をつける言葉のことですね。
とりあえずなんにでも「お」をつければ一応はお上品に聞こえるものです。
私が前に住んでいました東京のS区はセレブな方も多く、ある一部を除きほとんどの人が優しくて品のある常識的な奥様方でした。
しかしながら、品があっても常識的であっても自分の子どもに危害を加えるような悪ガキが公園で跋扈しておりましたらやはり悪口は言いたくなるようで、その方たちは悪ガキのことを「おクソガキ」と呼んでいました。
いやこれ、もうクソガキでええやんって心の中で思ってましたがもちろん黙ってました。
美化語からは少し離れますが、息子が小さい時に読んだ子育て雑誌に
― 言葉を覚えさせる時に例えば「ぞうさん」と名前だけを教えるのではなく「お鼻の長いぞうさん」と覚えさせると「ぞうさん」は「お鼻が長い」と一度にたくさんの言葉を覚えられる ―
などど書いてあり実践したことがありまして、
結果、言葉が遅かった息子はその長いセンテンスを覚えられず「ぞうさん」という単語まで行きつくことができませんでした。
しかもお鼻とハッキリ言えないので「ぞうさん」を見ると「おわおわ」と言うようになりました。本人は「お鼻が~」と言いたかったんでしょう。可哀そうな事をしました。
本当にこれは私が悪かった。いや雑誌も悪いと思うけど、それを信じた私が悪い。反省しました。
ひとまず「ぞうさん」は時間と共に直るだろう(実際なおった)と、その時は横に置いたものの、長い単語も怪しいのが分かっているのに私はまた失敗をしました。
私は「ママ」を早めに脱却して「おかあさん」と呼ばせたかったのです。ですが、これがなかなか言えなくてですね
ある日、公園で他のお子様たちが「ママ~」って走ってくる中、うちの子は私に「おかん」とにこにこ呼びかけてくるわけです。辺りが一瞬静まりました。
あらら。なんだろう、受け狙ったのに滑ったみたいな微妙な空気とでもいいましょうか。もちろん息子は受け狙ったわけではありません。
私は「ママ」呼びに戻すことにしました。今日からママよ~。
余談ですが
「ママ」といえば、校正の時にそのママの意味で使いますね。
あるエピソードで「義母」を「母」に変更するのに赤線で引いて「母」にした後、
やっぱり「義母」でいいやとなり、そのママの意味で「ママ」と赤で書いたそうです。
すると出来上がった本のその部分が「ママ」といいう呼称になっていた。話の中でその部分だけが何故か「ママ」となって発売されたんですと。
ままなりませんね~。
閑話休題
あの頃はひ〇こクラブとかの子育て雑誌を買い込んではいろいろ参考にしていたのですが、発達には個人差があるので一概に適用してはいけないと思い知りました。
言葉は丁寧に、ひとつずつ覚えさせるのがいいと思うのです。
あれっ、気が付いたら美化語から離れてましたね。
ではひとつ、子育てあるあるでは「お」をつけた単語をそのまま名前として覚えてしまうのがあります。
よくある例ですが、うちの子は「おくつ」がくつの名前だと思っていたようで長靴を見ると「ながおくつ」と言ってました。
可愛いのでしばらくそのままにしておきました。←おい
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