第25話 信じてくれとは言わないが
本当の話なんです。
亡父の7回忌に実家に帰り、仏壇の前で寝ていた時、夜中に私の指をギュッと握られました。
これはきっと亡父が握っているんだろうと思ったのですが、そのあと頭に数字が浮かんできたんです。
6種類くらいの数字だったのですが1桁と2桁の数字が混ざっており
起きたときには4つしか覚えておりませんでした。
直感的にロト6だなと思った私は覚えている数字だけでもと思い、頭で復唱して忘れないうちにメモに取りました。
そして東京に帰ってから買ってみたら4つは合っていました。
その後、10回忌の時はあらかじめ頭元にメモ用紙を置いて寝ました。
そのころは甥っ子が家を建てたばかりで足りない分を祖母、すなわち私の母が立て替えていたりとお金があればありがたい時期だったようです。私は事情を知りませんでしたが。
10回忌は内輪で済ませ集まった少数の親戚で楽しく過ごした後、私は一人で亡父の仏壇の前で寝ました。
やはり夢で数字が浮かんできました。今度は1桁の数字が4つでした。飛び起きた私は枕元のメモ用紙に数字を書き留めながら直感でナンバーズだと思いました。
私は6つも数字が覚えられないので亡父が気を利かせて4つにしてくれたんでしょう(笑)
朝、その話を母親にした方がいいと思ったものの、間違っていたらどうしようとか
期待させて外れていたらどうしようとか、いろいろ考えているうちに飛行機の時間が迫ります。
実をいうとメモ用紙まで用意した私自身が半信半疑でした。
そして、田舎なのでナンバーズを買う場所がなかったのもためらった理由です。みずほ銀行もATMも宝くじ売り場もかなり離れた街にしかなかったのです。
バタバタと朝餉の用意や帰る準備をしている間に時間が過ぎ、もう家を出ないといけない時間になりました。結局この話は誰にも言わないまま帰京してしまいました。
帰ってからひとまず買ってみようとみずほ銀行のATMで操作していたら
ナンバーズはいろいろな買い方があるのを始めて知りました。4つの数字だけ入れればいいというものではなく順番とかもあり結構な組み合わせです。
面倒だったので数字だけは同じで買い方を変えて一口づつ3種類、2回分買ってみました。当たりました。
翌日のはダメでしたがその次の回に4つとも全部数字が合っていたのです。
念のために書いておきますが数字が合っていただけで並びが違うので大した金額ではありません(爆)
それでも教えておけば良かったなぁ。今思えば、これは私のためではなく甥っ子や母親のために亡父が教えてくれたんじゃないのかと後悔しきりです。
その後ですか? 島への移住があったり、仕事の都合があったり、コロナがあったり、死にかけたりで実家には帰っていないのです。
多分ですが、これを書いているという事はそろそろ帰れと言われているのだと思います。もう数字は教えてくれないかもですが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます