第22話 小説のためなら死ねる
シナリオセンターに通っていたときにグループができました。
小劇団の女優さん、脚本兼俳優さん、消防士、学習塾経営者
花屋さん、月影先生に似た謎の女性、フリーター、私
消防士の若い男性は焼死体が見たいから消防士になったと言っていました。
本物の死体を見ないとリアルなのものが書けないからという理由です。
「警察官になって検視とかする人になった方がよくね?」と私が言ったら
「検視官って、刑事を10年以上やるとか警察大学行くとかしないとダメなんすよ、俺じゃ無理なんで」って
「そうなんだ、知らなったよ、教えてくれてありがとう」で会話が終わりました。
しかしながら、その彼の書いたものは全く覚えてないので私には刺さらなかったんだと思います。
その話からさらに遡ってデザイン事務所で働いていた時のことです。同期が3人いたのですがその一人にぼっちゃり型で妙な色気のある同年代の子がいました。
その子もかなり前衛的な考え方の持ち主で人生で経験できるあらゆることを経験し小説家になる、というのが目標でした。
好奇心旺盛な点では負けないと自負しておりましたが自ら望んで荒波に乗って行こうとする彼女の姿勢に潔さを感じたものの、納得いかない話も。
恋愛はもちろんのこと、結婚、出産、不倫、離婚、シングルマザー、子連れ再婚、
臨死体験、これだけは経験したいと言うのです。
私は「子どもの人生は親のものではないから巻き込むのはどうかと思うよ、子ども生むなら責任持たなくちゃ」と声を大にして言いました。
少し考えていたけどどうなったかは分かりません。
その後、しばらくして彼女は体調を崩してデザイン事務所を辞めました。
セッ〇スし過ぎて腸ねん転になったというのですが、一体どんな事をしたら腸が捻じれるんだと驚愕したもんです。
理由を聞くと「限りなく透明に近いブルー」に出てくる体位を実践してみたとのことでした。
そりゃなるわなと納得した次第であります。
経験した本人しか分からない事を書くのは武器になると思いますが、
何事にも限度というかなんというか、私の出会った変わった人ランキングで10位以内に入る人でした。
蛇足ですが、彼女の親御さんの駆け落ち逃亡劇が少し聞いただけでもスリリングでその話で一本書けるじゃないって私がめっさ目を輝かせてがっついたもんだから、詳しく教えてくれませんでしたが、あの話、書けばいいのにって今でも思います。
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