第5話 死は突然やってくる
まだ新しいお話なのですが
心不全で死にかけました
ずっと体調が悪くて少し走ったり坂道を登ると心臓が苦しく
咳も出てきたので病院に行きました
熱はなくコロナではないということでした
ですが、血液検査をしている間に心電図をとっていると
最初に診察した先生が走ってきて
「こんな酷い貧血みたことない、一体どんな治療してたんですか」と驚愕の表情
私は寝台に横たわって
「特に治療はしてませんでした」って答えるも
心臓と何の関係があるかも分かりませんので頭には?マークが浮かぶばかり
その間にもどんどん心拍数が上がっていき容体が悪くなっているらしく
周りはてんやわんやです(古い言い回しw)
先生は
「心不全になりかけてます、大変です、ここでは対処できません
救急車を呼ぶので対応できる病院に連絡を取ります」と言って
他の病院に電話をかけてくれます
一人の看護師さんは救急に電話をかけて
もう一人の看護師さんは家族の連絡先に電話します
他の看護師さんは私の鼻に酸素を通して腕に点滴をさし荷物をまとめます
近い所の病院では断られたので少し遠い所にお願いをしてくれて受け入れてくれることになりました
しばらくして救急車がやってきて私は若い看護師さんに付き添われて大きな病院に運ばれていきます
主人には連絡が取れましたが間に合わないので直接大きな病院に向かうことになりました
救急車の中で
「仕事が3連休でよかった、とりあえず迷惑はかけない」
などと私はその時まで呑気なことを思っていたのです
どのくらい乗っていたか、結構時間がかかったようにも思いましたが
特別苦しいということはなくただ横になっているうちに到着しました
ストレッチャーで移動して救急治療室に運ばれると
そこには十数人のお医者さんや看護師さんが待ち受けていました
「名前は言えますか?ここがどこか分かりますか?」など、次々と質問されるのは
意識がはっきりしているかどうかの確認でしょうか
その間に看護師さんが服を脱がしていきます
担当のお医者さんはアラサーの綺麗な女医さんでてきぱきと指示していきます
「担当のAです、私さん大変危険な状態です、時間がないので一斉にやっていきます」といいながら一気にあちこちに注射針をぶっ刺します
「痛いですよ!動かないでくださいね」と言いながら首に刺された時は
これが刺された時に感じる痛みか、尋常じゃねーって唸りました
「今なら分かる亜人の気持ち」
あの亜人が診察台の上で切り刻まれていたのが脳裏に浮かぶほどでした
私は心不全に伴う複合的な病気を併発していたので
説明されても分からないいろんな薬を腕からではなく早く効果のでる首(静脈か動脈か分かりません)に点滴の針を打ち込まれたのですが
もはや何本ついているか分からないほどです
じゃらじゃらと長い首飾りを何本もぶら下げている状態で寝返りが打てないし、
看護師さんは交換の時に間違えないようにすごく気を遣っていました
どのくらい経ったか分からない頃に主人が到着しました
担当の先生は
「私さん、心不全になっていまして、死ぬ確率が高いです」と私と主人に言いました
それを聞いても私は
「あ、私、死ぬんだ」としか思いませでした
意識もはっきりしているし、点滴の針以外に痛いところもなく
心拍数は160超えてても薬のおかげか苦しくもないので実感がわきません
悲しいとか悔しいとか怖いとかもなく、平静なのが自分でも不思議でした
主人はその後別室で先生と話をしました
私の元へ戻ってきても何も言いませんでした
「ICUの準備ができたので移動します」
看護師さんが言うと
「荷物も服ももう必要ないのでご主人さん持って帰って下さい」と先生が言いました
主人は私のバッグや服などを持って私が運ばれていくのを黙って見送っていました
なんだか可哀そうでした
長いのでつづきます
ここまで読んでくださってありがとうございます
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