第4話 執着する女
このお話は小学生の頃まで遡ります
私が通っていた小学校は1学年に1クラスしかない
田舎の小規模な学校でした
1年から6年までクラスの面子は変わりません
男女比は半々でした
その中の一人にRちゃんという女の子がいたのですが
狭い人間関係の中でほとんど話をしなかった女の子です
多分、お互い無関心な好きでも嫌いでもない人
その子が唐突に私の日常にちょっかいをかけてくるようになりました
例えば、翌日の給食のメニューを廊下の黒板に書く係が一緒になったとき
都合のいい曜日を決めて順番に書こうということになり
私は木曜日がいいと最初に手を上げました
これには理由があって木曜日は私以外の子は放課後に卓球のクラブがあったので
私なりに気を遣って名乗り出たつもりでした。わざわざ言いませんが。
メニューは終わりの学活で渡されるので何も予定のない私がいいだろうと
そうしたら、突然Rちゃんが
「木曜日は私がやる、私がやりたい」って珍しく主張してくるのです
Rちゃんも卓球クラブだから早く準備したいんじゃないのかな?って
私は思いましたがそんなに言うならいいやって私は引きました
委員決めの時などは私が本好きなのを知っている違う子が
私ちゃんは図書委員がいいんじゃない?って言ってくれたので
手を上げようとしたらまたRちゃんが手をあげる
まぁ、それも別にかまわないんだけど
私なんか嫌われることでもしたのかな?って不思議に思ったものです
中学は同じクラスになることも部活も別だったので一度も話すことなく卒業しました
高校も同じでしたがクラスも別で接点はなかったのです
が、
ある日、新しくできた友達Mちゃんと放課後話をしているとRちゃんがやってきました。Mちゃんと友達らしく一緒に帰ろうと誘いに来たようです。
私は知らない人ではないし、別に気にせずMちゃんの恋バナを聞いていたのですが
Mちゃんが私に「誰か気になる男子はいないの~」って聞いてきたときに
物凄く嫌な予感がしたのです
RちゃんはMちゃんの隣で下を向いて本を読んでいたので表情は分かりません
ですが私の脳のシナプスがプツプツとつながっていき私に危険信号を送ります
と、同時に試してみたくなりました
「実は、〇組の〇〇君が気になってて…」と全然興味もないし話したこともないけど
名前と顔が一致する男子の名前を出してみたのです
すると1週間後
Rちゃんが〇〇君に告白して付き合うことになったと聞きました
マジですか
怖すぎです
私に対抗意識をもっているようには思えないし
私のことが嫌いだとしてもやり方がもやっとして気持ちが悪い
本当に嫌いだったらもっとはっきりした意地悪とか悪口とかあるでしょうに
成人してからは東京で一人暮らしを始めて実家に帰ることも少なく
同窓会も出てないしRちゃんのその後は知りませんが
いつまで経っても忘れられない人です
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