第2話

死んで欲しい人。


そうだね?


うん。


そんな人がいながら、良い人を演じるなんて、器用な真似していたのです。


僕は、演じるだなんて、不器用な為、ムリです。


嫌いな人に。


苦手なんです。


女を殺してしまいたい


手を顔で覆い、彼は泣き崩れた。


そう云う彼の哀しさと云うものは、他人には上手く伝わらなかった。


時節柄、そう云うものは排除され、女性擁護の機運がある為だ。


こう云う時代の中、男性の被害ケースは、にわかには、受け入れ難い。


しかし。


彼は目を釣り上げながら、彼を直視する。


その女がしていることは、加虐だ。


彼は、余り自分の感覚を信じない方が良いよ。


君は、自分では無い感覚が、支配しているから…ね?


それは、子供の11歳からのトラウマだった。


ネットでそう云う、私が加害者だった場合の被害者に私は、運悪く、偶々出くわした。


彼は、被害者で間違いない。


具体的に云うなら、性被害に遭ったー


私は、彼から見て、忌避すべき相手であり、触れない方が良い人間だった。


相反する存在は、折り合いが付かない。


幸いにも、僕が、被害者と加害の間を行き来していた為、人々はどっちなんだ?と惑う。


僕は、つくづく悪知恵がつくニンゲンだと自覚している。


何故、性的被害者の痛みを受け止めてきたか?と云うと、現実でそう云うタチの悪い人間が、目の前に数多の数ほど、ありふれていたからだ。


世の多数


多勢に無勢では、拉致が開かない。


少数派に、寄り掛かったので或る。


それだけならまだしも、彼等の押さえつけられた憎しみを、この身に宿らせて、解き放ったのである。


もし、仮に性的トラウマを抱えた、病んだ人間全て、総人口。その被害者の体験談を集め、調べた。


その憎悪に、我が身の魂を込めて、怒りを、反撃に転じたのである。


唄にはそう云う念が籠り、蠢いている。

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