ハロルドとテル

「ところでハロルドさんと局長って幼馴染なんですよね?」

「ええ、、、ただあまりいい関係ではないわね」

エテルの問いにテルは苦笑いして答えた

「え?」

「元々、ハロルドは父親の教育方針で中々にえげつない教育を受けていたは?」

「本人から聞きました」

「なら、、、ハロルドのお父さんは武力と知力を鍛えると同時に市政のことを知らないまま育つのはやばいということで名家の子供が通う学校じゃなくて私が通っていた普通の学校に入学させたんですよ」

「なるほど、、、確かハロルドさんはバルトルさんとも幼馴染でしたし3人同じ学校だったんですか?」

エテルがそう聞くと

「いや、バルトルはそれをやるのは色々と面倒があったから名家の学校行ったよ。あ、言い方が悪かったね。元々私とハロルドとバルトルは学校に通う前からの幼馴染なのよ。そのうえでハロルドのお父さんが私の方の学校にぶん投げたの」

「ほへー」

「で、、、最初の2年間は大丈夫だったんだけど3年生の時にハロルドの正体がバレちゃって学園中から距離を取られちゃって、、、そのままハロルド学校来なくなっちゃったんだよね。そして私だけは態度を変えずにハロルドに接しちゃったんだよね、、、今考えると恐ろしいことしてるよね。でも、ハロルドはそれが嬉しかったみたいで、、、今でも友人って言う感じなのよ」

「うーん、、、別に良くない関係ではない気が?」

エテルがそう言うと

「、、、私が初等部を卒業する少し前に両親が流行り病で死んじゃってね、、、治療に莫大なお金が掛かる病気で。ハロルドに知られたら確実のお金を出してきちゃうと思って私はそのことを誰にも話してなかったのよね。それで両親はそのまま死んじゃった。両親は私の判断を喜んでくれた。むしろハロルドに話してお金を手に入れてしまうことの方が嫌だったみたい。まぁ、それで両親の遺産があったから葬式代と冒険者になろうと思ってその初期投資に使うことにしたんだけど、、、葬式頼みに行ったらハロルドのお父さんが待ち構えてて、、、そのままハロルドのお父さんに学園の学費を出すって言われて、、、現在そう言う関係ってこと」

テルはそう答えるのであった

「あぁー、、、それはなんとも」

エテルは顔をしかめた

「一応ハロルドのお父さんはハロルドを助けてくれたことへの正当な報酬だって言うけど、、、さすがにねぇ」

「、、、まぁ、その感じハロルドさんは知らないみたいだし忘れましょ」

「確かに、、、さて仕事頑張りましょうか」


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