枢機卿

「これは、バロム枢機卿、、、お元気そうで」

フレデリカは笑みを浮かべてそう呟く

「バロムって、、、」

そしてバロムという名前を聞いたエレボスは少し驚く

「フレデリカ隊長もお元気そうで」

バロムは後ろに十数人の取り巻きを連れてフレデリカに笑顔で挨拶する

「、、、あぁ、そちらがご子息のエレボス君ですね」

そしてフレデリカの後ろに居るエレボスを見て笑みを深めた

「初めまして」

「初めまして、、、私はバロム・アルタリアと言います。このセラフ教の枢機卿の任を務めている者です」

「、、、枢機卿。私達は急いでいるので失礼しますね」

フレデリカはすぐに去ろうとエレボスの手を引く だが

「お待ちください!」

ザザザ

バロムはフレデリカを呼び止め取り巻きがフレデリカの前に立つ

「、、、何か?」

「いえいえ、せっかくあのエレボス君に会えましたし少し話してみたいなと思いまして」

フレデリカの絶対零度の眼にも涼しい顔でバロムはそう言う

「そういわれましても」

フレデリカはエレボスにバロムを関わらせたくなくそれをどうにか断ろうとするが

「そうですわ。フレデリカ隊長」

「息子さんが大切なのはわかりますがエレボス君は神の啓示を受けた勇者ですよ」

左手から美しい女と老人の男が現れた

「っ!!アメリア枢機卿に、ロム枢機卿」

2人の顔を見るなりに本格的にフレデリカは顔をゆがめる

「アメリア・ローレライにロム・ガブリエル」

そして2人の名前を聞いてエレボスは2人のフルネームを呟く

「あら?私達のことを知っていただいてるなんて光栄ですね」

それを聞いたアメリアは嬉しそうに

「ただ、しっかりと枢機卿を付けてくれ?フレデリカは教育が下手だから今更治すのは大変かもだが頑張りたまえ」

ロムは嫌味を込めて言う

「っ!」

フレデリカの顔がいよいよ歪む

だが

(いつのまにか周囲に200人ぐらい居る、、、ここで強硬策に出るとマズい)

武力最強のフレデリカも政事となると最強ではない

「そうですわね、ここは適材適所、セラフ教のことは我々が教えましょう」

アメリアもロムの嫌味に乗ってエレボスと関わりを持とうとする

「っ!」

フレデリカはどうしたものかと考えていた時だった

「それは失礼しました。エモクロア共和国女王で母の師でもあるフレイヤ陛下から敬う価値の無い相手は敬うなと教えられていたもので」

エレボスはとんでもないことを口にした

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