カエデの  2

「た、だすげて!!」

「いやだぁー!!!」

「ゆるしてぇー!!」

奴隷市場では男女問わずに阿鼻叫喚の地獄絵図であった

「凄まじいな」

(まさに人間の最下層と最上層が交わって最低最悪の場所になってるな)

カエデはそんなことを考えながら奥へ進んで行く

「「、、、」」

まだ子供であるカエデがこのような場所にいることに買う側の人間は興味の目線を向けるが

(声を掛けてくる気配はなし。さすがにそこの分別は付くんだな)

お互い不干渉という暗黙のルールを全員守り声を掛けてくることはない

「さて」

そしてカエデは奥のカウンターに辿り着く

「どうされましたか?」

カウンターの男性がカエデにそう声を掛けると

「水晶を貸してもらえますか?」

カエデはそう言った

「水晶、、、了解いたしました。えっと、、、相手は?」

に」

「っ!!了解しました、、、一番の奥の部屋へどうぞ」

男性は鍵を渡してそう言う

「ありがとう」

そしてカエデは鍵を受け取り案内通りに進むのであった




ガチャ

カエデは扉を開ける

「さて」

そして部屋の中にある水晶に魔力を流す

{、、、}

少しの沈黙が部屋を支配する そして

{、、、はい?}

水晶からエクレアの声が聞こえた

「カエデだ」

{あ!カエデ!元気?}

エクレアはカエデの声を聞くと嬉しそうな声を上げる

「ええ、ちょっと怠惰の大罪司教とぶつかったけど生きてる」

{はぁ?!ベルフェと?!よく無事だったわね}

エクレアは驚愕の声を漏らす

「どうにか、、、それでちょっと頼みがあるんだけどいいか?」

{私は商人。対価さえ払えばどんな商品でも用意するよ}

カエデの言葉にエクレアはそう返した

{魔国上層部との伝手あるか?}

{、、、どれのレベルで?}

{ハジメって言う人の知り合い}

{ちょっと待ってて}

カエデの注文を聞いたエクレア少しの間その場から去る

「、、、」

(まさか今まさに魔国に居るとかじゃないよな?)

エクレアがそう考えながら待っていると

{あ、ごめんね待たせちゃって}

思いのほかエクレアはすぐに帰って来た

{まず、直接は無理だった。でも案内できる人なら紹介できる}

「さすが、、、それで代金は?」

カエデがそう聞くと

{           }

エクレアは代金を口にした

「、、、高い買い物になったわね」

そしてそれを聞いたカエデは苦い顔をする

{でも、悪くないでしょ?}

「そこまででいいんだな?」

{ええ。その後はまた別、、、}

「了解、、、あとエモクロアのフレイヤ様がアレの素材を全面協力してくれるそうだから」

{おっ!了解}

こうして2人の取引は終わるのであった

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