ツクヨミ

「はー、旅が始まってからずっとカエデちゃんに頼りっきりだなー」

アリアは王城を歩きながらそうため息をついて言う

(そもそもアリアちゃんは私のために着いて来てくれてるし、、、迷惑かけっぱなしだなぁ)

そう落ち込みながら歩いていると

「なに落ち込んでるんだ?」

「あ、カエデちゃん」

後ろからきていたカエデが声を掛けてきた

「、、、落ち込んでるのか?」

「っ!まあね」

「私に助けられてばっかりなこと気にしてるのか?」

「うん」

「ヒーラーなんだから前線は任せていいんだよ。それに、、、1人旅ってつまらないからね。助かってる」

カエデがそう言うと

「そっか」

アリアはそう悲しそうに言った

「、、、」

(難しいな) 

カエデは苦笑いして一緒にアリアとともに歩いた

「強くなる、、、というよりももっと賢くならないとなー」

「知識ではなく判断、発想力って意味でか、、、経験とかの問題もあるからなぁ。というか、、、アリアの場合はそっちよりも包容力が武器な気がするけど」

「包容力?、、、ん?」

ふとアリアは気が付いた

「綺麗な子だなぁ」

とある一枚の絵に描かれた美しい少女に

「え?」

そしてカエデは驚愕する

「アヤメ?!」

なにせその絵に描かれていたのが幼馴染のアヤメ・ツクヨミだったからだ

「なんで、、、」

カエデがそう驚愕していると

「この絵、、、アヤカ?一文字違いだね」

「どういう、、、こと」

「サフランの王宮にカエデの幼馴染とそっくりの少女の絵が?」

アリアがそう困惑していると

「何してんですか?」 

後ろからエテルが話しかけてきた

「あ、エテルちゃん。それがこの絵に描かれてる少女がカエデちゃんの幼馴染とそっくりなんだって」

「あー、当時10歳の時にアヤカに犯された、、、あー、絵に欲情したんですか?」

「違う、、、どういうこと?」

「そういえば、カエデさんの幼馴染の名前って何なんですか?」

ふとエテルふとそう聞く

「え、あー、、、皇帝の名前言っていいのか?」

「「皇帝?!」」

「え?あ、うん。アヤカはヤマト皇国の現皇帝だ」

「「、、、皇帝に手を出したのか」」

2人はドン引きする

「、、、そういえば、エテルって家名、アマテラスだったよな?」

カエデがそう言うと

「え?うん。エテル・アマテラス、、、ベルフェ様の名字がツクヨミなんですけどそれだとアリス様と名字がかぶるって理由でそういう家名に。だからあまり関係ないですよ」

「、、、え?ツクヨミ?」

「はい、、、あれ?今まで思い出せなかったのになんで思い出せたんだ?」

エテルは不思議そうにそう呟くが

「アヤメ・ツクヨミ」

「え?」

「ヤマトの皇帝の家名はツクヨミ」

そのカエデの言葉に全員が絶句した

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