大樹の手腕

「「エテル」」

意気消沈しているエテルにカエデとアリアは声を掛ける

「っ!!」

それにエテルは

パチン

「「っ!」」

「うるさい!」

怒りに顔を染める

(さて)

「、、、エレボスの悪魔契約を預かってるって、、、そんなことできるのか」

カエデはまずそう切り出した

「そんなことして大丈夫なの?」

アリアも心配そうにそう問う

「、、、」

しかしエテルは一切口を開かない

「仲間でしょ!頼ってよ」

アリアがそう言うと

「、、、たまたま進む方向が同じだっただけの同行者。そして2人は勇者の仲間の証明として目に華の紋章が浮かんでる、、、つまり悪魔術師である私の敵だよ」

エテルはそう冷たく返した

「っ!」

(そん、、な)

それにアリアは悲しそうに顔をゆがめる

「、、、」

(背丈は大人顔負けなのに精神はガキね、、、まー、色々とやりますかね)

そしてカエデは面白そうといった感じで少し顔をゆがめる

そして

「さて?エテルちゃんをこれからどうするかよね」

そんな中フレデリカがエテルに近寄りながらそう声を掛けてきた

「っ!!!」

「あの!エテルちゃんのこと許し

アリアがエテルのことをどうにかというが

「無理だな。まずエテルのやらかしたことがかなり重いし、、、それにエテルはただの悪魔術師じゃない。あの感じ大罪司教に目を付けられてる重要な立場だ、、、どっちも即座に捕える理由になる」

カエデがそう切り捨てた

(普通に考えて未だに首と胴体が繋がってることが奇跡なんだがな、、、勇者関連の候補者を殺すわけにはいかないだろうけど)

「カエデちゃん!」

アリアは怒った様子でそう言う

(仲間じゃないって言われたからって!!)

「流石にごまかしが効かない、、、それで?フレデリカさんはどうするおつもりで?」

悲痛なアリアの叫びを無視してカエデはフレデリカにエテルの処遇を問う

「う~ん。一先ず今直ぐにベルフェゴールの契約を破棄させないと、、、その後はどうしようかしらね。更生のためにと他人と触れ合わせるとエテルちゃん確実に問題起こしそうだし、、、捕らえておくのが一番無難ね」

(だろうな)

エテルは納得し

キン!!

「何の真似かしら?」

「仲間に手を出されそうだったので」

事前動作の様に鞘から閃光のごとき速度で刀を抜いてフレデリカに切りかかったのである

「だから仲間じゃ

エテルが顔を少し赤くしてイラついた様子でそう言うが

「うるさいわね。惨めに負けた分際でギャー、ギャー喚くんじゃないわよ。私達が仲間と言ったら仲間なのよ」

エテルの言葉を切り裂いてカエデはそう返した

(あー、すっきりした)

「っ!」

カエデの言葉にエテルは息を飲み

「カエデちゃん!」

(最初からエテルちゃんを!)

アリアはカエデの行動に目を輝かせた

「この駄犬は私が責任をもって育てます」

「駄犬、、、」

流石にエテルも駄犬呼びは効いたようで言葉が続かない

「、、、いやだと言ったら?」

(さてさて神楽の娘っぽくないから気になってたけど、、、化けの皮がはがれて来たわね)

フレデリカは内心楽しそうだ

「ヤマトへの神聖教の促進がとんでもなく難航していると聞いていますが?そんな中私が色々と騒げばそれがさらに難航すると思いますが?」

そしてカエデはそう脅しを掛けた

「、、、責任を取れなかったら私個人がお母さんにこのことで詰めるわよ」

「話し合い終わりということで」

「ええ」

そうしてなんともあっさりとエテルの処遇が決まるのであった

「す、すごい」

(絶望的な状況を口だけで解決させた!)

その鮮やかさにアリアがそう感嘆の声を漏らしカエデの

「やる時はとことんやれ、、、私のお母様の言葉よ」

「でしょうね。似たようなことをカグラもやっていたわ」

「ほへー」

「か、勝手に話を!」

エテルがそう言うが

「「駄犬がキャンキャン吠えるな」」

「っ!!」

カエデとフレデリカの殺気に絶句する

「それにして怠惰系譜の悪魔と契約しているとは想像していたけど原初と契約しているとはね、、、仮契約とはいえかなりヤバいわね」

フレデリカの顔が焦りで歪む

「まー、本契約される前で、、、本契約できる物なんですか?」

こうしてカエデの手腕によってド派手にやらかしたエテルの処遇は客観的に見れば良いものに落ち着いた




ドカン!!!!

わけが無かった

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