カエデ視点

時はアリアとカエデがビリアンの部屋入った時に遡る

「教皇直属部隊が私達に用があって来た、、、きな臭いな」

部屋に入ってカエデはそうアリアに聞こえない声量で呟く

(でも、今ここで逃げるのは論外だな。眼に刻印が出た後にアリアが使っていた魔法はフレデリカさんが使っていた光魔法と同じものだった、、、となるとここから逃げればセラフからだけじゃなく魔国からも執拗に狙われる、、、しかもアリアの白い眼。フレデリカさんと同じ物、、、)

「絶対ヤバい」

カエデはビリアンの想定通りここから逃げる事のリスクを理解していた

(ここはビリアンさんを信じましょ)

そうこれからの方針を決めたと同時に

ガチャ

「2人とも、紅茶とケーキ持って来たから食べなさい」

司教が紅茶とケーキを持って部屋に入って来た

「「、、ありがとうございます」」

(確実に監視ね、、、いや、護衛もあるわな)

司教の目的を理解しカエデはそう考える

「紅茶、、、これからはみんなが作るのか」

アリアは紅茶を見てそう呟く

「「っ!」」

((たぶん、それはもうできない、、、))

そんなアリアの呟きにカエデと司教は顔を顰める

「そうだな、、、そういえば紅茶をここで飲むのは初めてだな」

そう言いながらカエデは紅茶を飲む そして

「あれ?この味、、、エクレアのところで」

その味に覚えがあった

「エクレア?」

アリアがそう聞くと

「ああ、、、ちょっとした知り合いの家で飲んだ紅茶と同じ味をしていてな。ここの茶葉だったのか」

カエデはそう答えた

「へー、ここの茶葉って卸先は1つだけだし量も少ないから珍しいわね」

司教は驚いた様子でそう言った

「運が良かった」

コトッ

「え?」

カエデは外に居た

「は?え?」

そして

「カエデちゃん!何も言わずに着いてきて!」

アリアが手を引っ張って走り出した

「ちょ!何考えてるの?!」

「ビリアン様の指示!逃げろって」

「え?いつの間に?」

(何か伝えたかった情報はあの直属部隊の女が来たから抹消したはず、、、他にあったのか?)

カエデは手を引かれるままにアリアについて行くのであった

「まずどこに行くの?」

「孤児院近くの森!あそこにビリアン様が用意してくれたお金とかが埋まってるって!」

カエデの問いにアリアはそう答えた

「っ!」

(あの人、、、どんんだけ頭がキレるのよ?!)

カエデはビリアンの頭のキレに舌を巻くのであった

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