クソ野郎ビリアン
ガチャン
「「あ!ビリアン様!」」
自室に戻ってきたビリアンに他の司教が一斉に安堵の声を上げる
「どういうことだ?!逃げれないように警戒はしたよな?」
「それどころか私が中に入っていました」
女性の司教がそう言う
「、、、どういうことだ?」
「一瞬で姿が消えました、、、まるで時が止まったように」
「、、、なるほど」
ビリアンは想定しうる中で最悪の状態に顔を青くする
「、、、聞くまでも無いと思いますがそちらの下が暴走したとかは?」
ペトラがそう聞くと
「なわけあるか。今の状態のアリアを外に連れ出すなんて爵位持ち悪魔を受肉させるようなものだぞ、、、というかどういうことだ?カエデさんだって眼のこととか全部抜きにしても今のアリアを連れ出せば問題になると分かってるはずだろ?」
「アリアさん本人の意思というのは?」
「それも考えずらい。下手に動けば妹弟に危害が加えられる可能性にもアリアなら気が付けるはずだ」
(一体どうなってるんだ?)
ビリアンは頭を悩ませる
「、、、よし。お互いにいい関係で居たいのは居たいんだ。アリアを連れ戻してくれたら俺と一緒にすぐにセラフに行くっていう条件でひとまず話でどうだ?」
「ここで、その話を断るのは地と知の利が無い私じゃ大変ですし、裏切った場合は取返しがつかない傷を生みそうですしそれでいいですよ。その代わり積極的にセラフとアリアさんのお互いの友好関係構築をお願いしますよ」
「ああ!」
こうして両陣営が一切想定していなかったアリアとカエデだけの意思による逃走にお互い手を組むのであった
「ふふ」
(ばーか!誰がお前らなんかと組むかよ!)
1人になったビリアンは嗤う
(どうせ中央から今日ぐらいに来ることは分かってたんだよ。カエデさんがサンモンジ家の人間だって言うのは想定外だったがどうせ何かしらで今日ぐらいだと当たりを付けておいたんだよ!)
「他のみんなには悪いが敵をだますにはまず味方からだ」
自分のウソに騙されアリアのことを心配しているであろう司教に申し訳なさそうに顔を顰める
だが
「あの女(最年少で大司教就任したという才覚、、、想定以上でしたね)とか思ってたけどお前程度で俺のクソみたいな思考を理解できるわけないだろ?」
すぐにペトラのことを思い出して嗤う
「さて、、、あの2人にはヘルメス家に行くようにメモを書いておいた」
(頼んだぞクソ悪魔)
ビリアンの脳裏には青髪青眼の少女が思い浮かぶのであった
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