ビリアン

「アリア!!」

男はアリアに駆け寄った

「クソ大司教、、、」

ビリアンを見たアリアは呆けた表情で心の中で呼んでいた名前を口に出す

「傷は、、、大丈夫そうだな。よかった、、、本当に良かった」

アリアの無事な姿を見たビリアンは心底安心したようだ

「み、みんなは?」

「バランに来ていた子達は全員救った、、、この町の生存者は今のところ追加で来た400人を追加して合わせて500人体制で探しているが子供達どころかアリアとヤマトの客人しか生存者はいない」

ビリアンはそうはっきりと言った

「そっか、、、そうだよね、、、私はみんなを助けれなかったんだね。はは」

アリアは自身の不甲斐無さに乾いた笑いしかでない

「、、、」

バフッ

「え?」

(抱きしめられてる?クソ大司教に?!)

突然アリアはビリアンに抱きしめられた 離れようとするが

ぐぅ

ビリアンはより強く抱きしめる

「泣けよ」

「ぇ?」

「お前はまだ子供なんだ。泣いて良いんだよ」

「、、、私はお姉ちゃんだから」

「ここにはお前の妹も弟もいない。今頃早馬でお前が無事なことを知って喜んでることだろうよ、、、だから、、、今のお前はたった一人の親だったお母さんを失った一人っ子の女の子だよ、、、たまには大人に何もかも投げ出して泣いて良いんだよ」

ビリアンは優しい声でそうアリアに言うのであった

「ぅ、、、うぅ、、、、うわぁーん!!!!!」

そしてアリアは本当に久しぶりに、、、いや初めて声を上げるほど泣いたのであった






「それでどういう手品で30分で来たんですか?普通に考えて騎馬隊でも4時間掛かる道のりを」

泣き疲れて寝てしまったアリアを背負いながら馬に乗るビリアンにカエデはそう聞く

「数日前俺はアリアに誕生日プレゼントとして服を送った。その時同封した手紙に俺は今日の子供祭りに着て来てくれって書いたんだ。レラジェさんは基本的にそういう贈り物とかのお返しはしっかりとするタイプの人間だったから俺のことが嫌い程度の理由で着ないとアリアが言っても着せさせると考えた。そして同時に実は元々俺はレラジェさんのことを疑っていたんだ。そして今日は悪魔教団においても記念の日だ。毎年あいつの誕生日と子供祭りの日、あと悪魔教団の記念日の日には警戒をしていたんだ。そして今回もいつも通り俺の指示でバランの外に出していた部隊を孤児院に向かわせたんだ。だがそれだけで絶対にレラジェさんが黒とは確定しない。勘違いで向かったことがバレればどう転んでも良くない結果になる。だからもう1つ仕掛けが服に合った。服が大きく破損したら俺が分かる術式をあの日服に付与しておいたんだ。そして服が破損されたことが分かった時点で部隊に全速力で向かうように命令したんだよ」

ビリアンはそう説明した

「なるほど、、、子供達に刻まれた術式をドンピシャで解除できたのは」

「そう言う事態になったらそう言うことしてくると読んで作って大教会の人間全員にそれとなく覚えさせておいたんだよ」

ビリアンはいたずらが成功したといった様子で笑った

「、、、貴方は本当にすごいですね。お母様とお父様の次に尊敬する人物になりましたよ」

「それは光栄だな、、、さて」


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