助祭エテル

「お姉さんが見てくれない?」

「うん。昔は私のことを見てくれた。でも、、、お姉ちゃんはエレボスと出会ってから変わっちゃった。今見てるのはお金と力だけ。なんかお母さんたちからも隠れて商売やってるみたいで、雇っている従業員さん達のことも道具としてしか見て無いみたい」

「、、、」

{エクレアちゃん、、、昔はおどおどしていたただの女の子だったのに。なんでそんなことに?}

ベルは困惑する

「お姉ちゃんはフレデリカ叔母さんやウィンディーネ様に見初められてるけど、、、私は回復や付与魔法が得意なだけで自分自身は戦えない役立たずだし。固有魔法だって発現する気配もないから、、、お姉ちゃんから見られなくなっても仕方がないよね」

マカロンは悲しそうにそう言う

「あ!ごめんね愚痴みたいなこと言っちゃって。さっ!早く教えて!」

バタン ギュー

「え?え、エテルさん?!」

エテルはベッドに寝そべると後ろからマカロンを抱きしめた

「、、、仮にも助祭だったからね。寂しがってる子供に胸を貸すぐらいはできるわよ」

身長が180あるエテルに対してマカロンは140ちょいである。抱きしめられれば丁度マカロンの顔はエテルの胸に埋まる

「今ここに居るのはあなたと私だけです。今だけは自分に正直になりなさい。私は全てを受け止めます」

エテルはそうマカロンにやさしい声で言う

「う、、、ぐすん、、、う、、、」

そしてマカロンはエテルの胸で静かに泣くのであった





「、、、あの子、抱きしめる前に私との繋がりを弱めた」

アスタロトは驚いた様子でそう言う

「何をしているかは探らないでおきましょう」

(多分、マカロンちゃんは泣いているだろうしね、、、エテルちゃん配慮ができるのね)

ベルはカンでマカロンが泣いていることを当てた

「それにしてもエテルを魔国の外に出したのは失敗だったかもしれないわね、、、あの子ここから飛躍的に伸びるわよ。武力も知力も、、、人としても」

「今でもあの子、武力ではかなりの者でしたし知力も相当です。ただ人としては、、、お世辞にもできているとは言えませんでしたが、、、ここから先で成長することになればエテルは私なんかじゃもったいない存在となるかもですね」

アスタロトはどこか寂しそうな顔をする

「アスタロトがもったいないと言われる存在になったら面白いけど、、、エテルちゃんは例え大罪悪魔と契約できると言われてもあなたを選ぶわよ。信頼という最強の武器を捨てるほどエテルちゃんは馬鹿じゃないわ」

そんなアスタロトにベルはそう言うのであった

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