メルトの話した昔話の裏話 7

 覚醒した少年は母親に持っていた槍を使い覚醒したその力で母親を倒しそのまま食い殺した。母親を殺したという大罪を犯しても少年の心には何もなかった。そしてそのまま用意していた馬に乗り三度森に逃げるのであった。 

 数日馬を走らせて森に辿り着いた二人だったが想定を大きく上回る執念をセラフは持っていたようで追手の聖騎士がすぐそばまで迫っていた。さらにいつの間にか消えていた眼の紋章による力もなくなり残ったのは傷だらけとなった少年とボロボロの妹だけ。到底を相手どれない。しかしせめて妹だけでもと少年は迎撃の準備を始める。しかしそんな少年の後ろから「タイム・アクセラレーション」という妹の呟きが聞こた。そして次の瞬間{グシャッ}という音が妹から発せられた。少年が音に振り向くとそこには腹からおびただしい量の血を流す妹の姿があった。少年が半狂乱で妹に駆け寄ると妹は「この子を」と一人の純白の毛に真っ白な目を持つ可愛らしい赤子を渡した。少年は驚愕と困惑をすると妹は「勇者さんが固有魔法で私のなかに居たこの子を外に出せるまで一瞬で成長するよう魔法を掛けておいてくれたんです。それで今それを起動したんです」と。妹が腹から大量出血をした理由とは処刑前夜に勇者が提案した妹の命と引き換えに妹の胎に宿った子供に生を与える魔法であり、使った妹の腹は急激に赤子の成長に対応できるわけもなく内部から破れるように赤子が出てきたからであった。

 妹は赤子を少年に渡すと「私達の子をお願いします」と告げた。そしてさらに「これから来る聖騎士を倒してそのまま逃げ切るために、、、私の亡骸を食べてください」というあまりにもあまりにも少年にとって酷なことを告げた。

自身の思い人とであり実の妹を食べろなどできるわけがなかった。少年はそんなことできないと口から声を出そうとした瞬間妹はキスをしてそれを阻止しそのまま命を落とした。そのキスは甘くしょっぱかった

 青年は大粒の涙を流し、苦しさのあまり握る手は爪が激しく食い込み血が流れる。そんな苦しみの中、妹の遺した赤子を守るために青年妹を食らった。最悪な味がして吐き出したかったがそれは許されない、、、そしてその絶望感と怒りからか妹と同じ九尾の尾を生やした。違ったのは妹がまるで自分と同じ純白の毛色に変わったのに対して青年は妹と同じ黄金の毛色に変わったことであった。

 そして辿り着いた追手の聖騎士を先ほど以上の力を持って全て一瞬で圧倒的な力を用いて殺した

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