メルトの話した昔話の裏話 6

 勇者は少年を秘密裏に自身の隠れ家に連れ帰った。

「何で助けた?」

少年がそう聞くと

「気まぐれだ」

勇者はそう答えた

そして

「お前の妹は一月後にセラフの首都、アヴァロンで公開処刑される、、、後、同時に大罪司教も一人処刑するそうだ。確実に悪魔教団が助けるために首都へ攻め込んでくるだろうな。そしてこの拠点の外の井戸は首都に繋がってる。なんでかは知らないけどな。傷は治しておいたから策でも練って行くんだな」

そう言って去って行った

 少年は最大の敵であった勇者によって最大にして最後のチャンスを得た。そして20日後少年はひたすら井戸の地下道を通ってセラフ神聖国・首都アヴァロンへ向かった。そして逃走手段なども用意し運命の日を迎える。アヴァロンに着いた。そして妹を待っていると程なくして妹と共に他にも処刑犯が連れられてきた。そして偉そうな人間が口にした言葉に少年は絶句した。妹が処刑される理由は大量虐殺と奴隷制の主導者であるという言うのだ。本来の主導者であるのはセラフと母親であるはずなのにその罪を自身に擦り付けたのだと。あまりの下劣さに少年は怒りすらもはや沸かない。

 そしてついに絶望に染まる妹が首を切り落とされることとなった。少女の首を切り落とすギロチンの刃が上がったその瞬間断頭台が消し飛んだ。その理由は黒髪黒目の男が魔法で消し飛ばしたからだ。そしてその男の後ろに居た緑髪の女が同じ断頭台に居た桃髪の女性を助け出したことで断頭台を中心に戦闘が始まった。その状況はまさに自分が求めていた状況であった。悪魔教団の襲撃によって混乱する聖騎士の隙を突いて少年は妹を助けに戦場に参入した。しかし聖騎士達も表向きは世界を守ってきた聖騎士達だ。全身傷だらけになりながら前に進むこととなった。しかし確固たる意思を持った狼はそれに勝った殺し道を開くと妹の元に辿り着く。そして妹を縛る鎖を破壊するとそのまま妹を連れて逃げようとする。しかしまるで最後の壁のように少年と妹の母親が少年に襲い掛かって来た。傷だらけの少年では絶対に勝つことがかなわない圧倒的な強敵であることは容易に感じ取ることが出来た。

(家族を守る!!)

そう少年が覚悟を決めた時、突如眼に花の紋章が浮かび毛の色が黄金に輝きだした


この時少年は知らなかったがそれは勇者の仲間としての覚醒だった

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