メルトの話した昔話の裏話 3

 森へ辿り着いた少年は無理が祟り倒れてしまった。すると妹はぎこちない魔法で少年を癒した。そして一週間眠り続けるた少年は目覚めると妹になぜ自分をこの森まで連れて来たのかを訪ねられた。「自分の妹でお前の命が危なかったんだ」と全て言うのはマズいと考え「お前の命が危なかったんだ」とだけ伝えた。そして妹の願いを思い出し「俺の体が治ったら一緒に旅をしよう」というのであった。妹はその言葉に喜び約束通り一ヶ月後二人は旅に出てそこで様々な出会いがあったり絶景を見たり時に危機があったりと楽しくて刺激的な旅を過ごした。少年は夢であった生き別れた家族との生活を送れてとても嬉しかった。だが二つの問題が旅の間ずっと心残りであった。

 一つ目はバビロニアがサフラン王国によって滅ぼされたということだ。どうやら父親の秘密を側近達に流したのはサフラン王国の女王、、、つまり少年の母親だったらしい。母親はセラフ神聖国と協力してバビロニアを滅ぼすと決め、そのためにバビロニアを内部崩壊させたのだ。しかもそれをすれば実の娘が最悪死ぬというのに実行したのだ。そのことを妹が知れば悲しむだろうと考え少年はその情報が妹に知られないように隠し続けた。

 二つ目は自身が持っている妹への恋心だ。妹に恋しているというのは禁忌だ。兄と妹の恋愛は物語の中では面白いが現実では最悪だ。少年は恋心を封印して旅を続けた。

 そして旅をして1年が経った時ふと妹は「お母さんに会いたい」と少年に言った。半ば喧嘩別れと言っても良い母親だが1年半以上離れていたということや元々好きだったこともあり妹はそう考えてしまった。そして少年は妹が囚われると考えました。しかし今ここで真実を話したとしても禍根が残ると考えました。そして何より囚われた後に自分が救い出せば問題ないと考えた、、、考えてしまった

 サフラン王国に戻った妹は驚愕した。至る所にみすぼらしい服を着た痩せこけた獣人が居たからだ。それはサフラン王国民ではなく、バビロニアに暮らしていた獣人たちであった。「なんでこんなことに」と妹が呟くと少年は答えた「1年半前にサフラン王国とセラフ神聖国の連合軍がバビロニアを滅ぼしたんだよ。そしてセラフ神聖国主導の元バビロニア住民を奴隷にしたんだよ」と。

 そして妹は王宮へ向かい少年は妹を救うために動いた。予想通り妹は捕まり少年は妹を救い出すとそのまま国を出ようと妹を抱えて走り出しました。しかし運命は2人が逃げ出すのを拒んだ。あと少しで王都から出れるというタイミングで勇者が現われた

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