ジャンヌとメルト

「ベルゼ様?父さんはそんな悪魔みたいな名前じゃないが?」

ジャンヌから少し殺気が出る

「いや、ベルゼというのはコードネームみたいなもんで、、、えっと」

(エレボスはあの時ベルゼ様のことをメルトって)

「メルト!メルトさんって言うはずよ」

エテルは数日前の記憶を掘り起こしそう言った

「、、、」

ジャンヌは少し沈黙すると

「お父様を知って、、、いるの?」

そう言葉を漏らした

「知っていますね。しかもベル、、メルト様は何故か私を知っていて」

「え?エテルちゃんが知っているならお父様も知っているのが普通じゃないの?」

「いや、、、その、、、」

エテルは気まずそうに口籠るが

「っ!」

意を決して

「メルト様は悪魔教団の暴食大罪司教です」

そう言った

「、、、え?」

それを聞いたジャンヌは絶句した

「う、嘘よ。ありえない!!お父様が悪魔教団の!それも大罪司教だなんて!!」

そしてそう子供のように叫ぶと

「死ね!!!!!!」

「っ!!」

煉獄の業火をエテル目掛けて放って来た

惰召使アスタロトシールド

エテルはそれを魔法の盾で防ぐ

ドカン!!!

「ぐぅ!」

しかしとんでもない威力の業火に押し込まれていく

(何この威力!)

「っ!」

エテルは見た

「九尾?」

ジャンヌの腰から九本の黄金の尾が出ていることに 

そして

「魔力量5000万?!」

自身の魔解時半分とはいえとんでもない量の魔力量をジャンヌが持っていることに驚愕した

ピキッ

「っ!盾が!」

魔解していない状態での盾はジャンヌの業火を防ぎ切れていなかった

ピキピキ

(まずい!)

エテルの顔に焦りが生まれる

「死ね死ね死ね死ね!!!!」

ジャンヌは完全に発狂状態だ

ぎゅ

「落ち着いてジャンヌ」

しかしタクトが後ろから優しく抱きしめそう言うと

「ふぇ?!」

正気?に戻った

「すまないな、エテル。ジャンヌは皆の前ではあんな感じでカリスマを発揮しているが本当は子供っぽい性格で、、、信じれないと思うが思いやりにあふれて優しい女の子なんだよ」

タクトがそう言うと

「、、、わ、わかりました」

エテルも再び話を聞く体勢になる

「ジャンヌ、、、エテルの話は本当だ」

「え?」

今日会ったばかりの人間から言われるのと長年連れ添った右腕的さ存在から言われるのではその話の重さが大きく変わる

ジャンヌの顔は絶望に染まる

「俺はメルトのおっさんに教えられてた。自分が大罪司教だってことを、、、そしてジャンヌにはこちら側に来て欲しくないとも」

そんなジャンヌにタクトはそう告げた

「なるほど、、、ベルゼ様は貴方のことを愛していたのね」

そしてエテルはそう呟くのであった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る