桃の落下
ガキン
「流石に強いわね」
全身から血を流すスモアは
「く、くそ」
全身から大量の血を流すエレボスを見ながらそう呟いた
(な、なんだこの強さ?まるで色欲の大罪司教と戦ってるみたいだ)
エレボスはスモアのあまりの強さに絶句する
(こっちは刀剣融合してる。それにスモアさんは魔力量1200万程度だぞ。なのに力負けするってどんだけ魔力操作が上手いんだよ)
※魔力量1200万程度とエレボスは考えているがこの世界は中位聖騎士の平均魔力量が5000である。1200万とかはどう考えてもおかしいのである。というか総裁司教であったロマノフが命懸けの魔解で500万である
「冷静になれ、別に勝つ必要は無いんだ。はやく逃げれば」
そう呟きながらエレボスは横目でエテルを見る
(母さんに追われてるとなるといくらベルの自動回避があるとはいえ流石にキツイよな、、、いや、結構余裕そうだな)
エテルは顔色こそ悪いが結構余裕そうにフレデリカの追撃を交わしている
「、、、冷静に考えたら俺よりもエテルの方が強いのでは?」
そしてふとそう思うのであった
「随分と余裕そうね」
「っ!」
シュ
「、、、悪魔契約無しで私の攻撃を躱すなんて凄いわね」
「この国に来て悪魔契約のありがたみをわかったと同時に自分自身が強くならないとと思ってな」
スモアの感嘆の声にエレボスはそう返す
「なるほどね。確かに1月前に戦った時とは別レベルの強さね」
「え?1月前に戦った時?」
(え?俺って1月前はアーデン魔国に居たんだぞ、、、ん?)
「双刀に桃髪桃目、、、それに1月前に戦った、、、スモアさんの正体ってアスモか?!」
エレボスは驚愕の真実に気がつき唖然とする
「違うわよ」
「え?」
しかしスモアはそれをはっきりと否定する
「悪魔教団はエモクロアと一切繋がっていない。スモアちゃんはフレンの側近よ?普通にその前提が狂うでしょう?」
「え?それそんな信頼のおける話なのか?」
「悪魔教団内の規則のかなり最初の方に書かれている話よ」
「あ、そうなんだ、、、ん?じゃー、どういうこと?」
エレボスは困惑する
「、、、本物のスモアちゃんは自室でぐっすり寝てるわよ」
「っ!入れ替わりか!!」
「正解!」
エレボスの言葉にスモアはそう声を上げると全身を炎が包んだ
そして
「ふふ。久しぶりねエレボス君」
炎が消えるとそこにはスモアではなく色欲の大罪司教であるカタリナが立っていた
「マジかよ?!」
「いやー、元々私もこの街に居たんだけどなんか桃髪桃目の女の子が居てそれが認識阻害魔法使ってて隣に王女様が居るなんて言う超偶然があって目に留まっていたのよ。それでふとこの子に成りすましたらいいんじゃないって思ってね、、、スモアちゃんがエレボス君を呼び終わった後に入れ替わったのよ」
「マジかよ」
「いや、こっちが言いたいわよ。あんな特徴が一致する相手を見て何一つ違和感を覚えないってどういうこと?」
「え?あー」
(初対面は絶体絶命の危機だったしその後も怒涛の展開やら姉さんの知り合いって言うことで完全に気が付かなかった、、、そういえばそっくりだな)
「はー、これなら普通に動いても問題なかったかもね」
カタリナは呆れた様子でそう呟くのであった
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