関門前の問答

「え?」

突然の声にエテルが思わず声の方向を見るとそこには

「べ、ベルゼ様?!」

暴食の大罪司教ベルゼが宙に浮いていた

「大罪司教なのにエンカウント率高すぎるでしょ、あなた」

そんなメルトにフレデリカがあきれた様子でそう言う

「俺は今大罪司教じゃないぞ?悪魔教団からエレボス以上に追われてる身だ」

「なにしでかしたのよ」

「まー、お前とも普通に敵なんだが、、、それでエテルだったな。お前のその推理は良い線は行ってる。ただ悪魔教団は一切エモクロアに干渉していない、、、というかあの女王のせいで一切関われないんだよ。死にたくないんでな」

メルトはフレデリカとの会話を終えてエテルの推理へそう答えを返した

「え、、、エモクロアへの手出しは禁止って言うのは悪魔教団の間じゃ有名な話ですが大罪司教すら手が出せないんですか?」

「無理。そもそも嫉妬相手に強欲はもちろん俺と憤怒は絶対勝てないし、ユグドラシル内だと大罪司教で最強のベルフェ様でも分が悪いレベルらしいぞ、、、それに武力以前にあの人は馬鹿マズいんだよ」

「そ、そこまで、、、」

エテルは驚愕を禁じ得ない

「悪魔信仰者同士の話は、、、というかエテルちゃん、大罪司教とここまで話せるって何者なの?まぁいいか。私の可愛い可愛い息子を誘拐してくれた大罪司教様が何でここに居るんだ?というかエレボスはどこだ?」

そんな中フレデリカが我慢の限界といった様子でそう殺気を漏らしてメルトにそう問うと

「そもそも俺はエレボスを誘拐していない。手を組んでるんだ。悪魔教団や、、、怖いお母さんから逃げるためにな」

そうメルトは返した

「っ!だったら今どこにいるのよ!」

「あの神樹の真下で女王と一緒に居る」

「「っ?!」」

エテルやフレデリカ達は驚愕する

というのも4人がユグドラシルへ来たのはエレボス探しの力をフレイヤに借りるためなのでまさかユグドラシルに居るとは思っていなかったのである

「さてエテル元助祭。貴殿に命を下す。エレボス殿に悪魔様との契約をお返ししろ。さすれば彼は自由な身になる翼を手に入れることが出来る」

そしてベルゼは大罪司教らしく厳かにエテルへ進むべき道を開いた

「っ!!はっ!」

そしてエテルもそれに応えた

「エレボスに悪魔契約を返せ、、、まさか今のエレボスは悪魔契約を持っていない?!」

そして2人の会話でフレデリカは今のエレボスが悪魔契約をしていないことを知る

「、、、このこと話さなかった方が良かったのでは?」

「どうせすぐバレるんだが良いだろ。後、普通に仲間を裏切るタイミングがお前の考えていたタイミングだと悪すぎるだろ。後先考えろ」

エテルの問いにメルトはそう返した

「仲間じゃありません。たまたま進む方向が同じだっただけの同行者です。というか2人は勇者の仲間なんですから敵ですよ」

「「っ!」」

メルトの言葉にカエデとアリアは息を飲み悲しそうな顔をする

「、、、勇者と悪魔術者が敵同士だと思う思っているうちはまだまだ青二歳だな。少なくても俺は勇者に娘を救われたぞ」

そしてメルトもそう言うのであった

「まぁいい。俺はエレボスを助けてくるから後は自分でどうにかしろ」

そして手に槍を出現させると

「グラトニー・ザ・スピア」

ドカン!!!

関門を消し飛ばした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る